商品の「安売り」と「安さ感」は違う

店舗経営をしているなら、時々は何かしらの理由で安売りをしていると思います。

景気が徐々に良くなっているとはいえ、まだまだお客様の財布の紐は固く、単に価格訴求をしても良い結果に結びつかないことも多いといいます。

だから「安売り」をするのではなく、お客様に商品の「安さ感」を訴求するのが販売を伸ばすのに効果的。「安さ感」とは何か? それを考えてみましょう。

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安く見せる技術に知恵を使うこと

「価格訴求」とは、いわゆる「安売り」であり、利益を削って値段を下げて集客する行為のことです。つい5〜10年前までは、「ハンバーガー59円!」、「牛丼280円!」、「住宅坪当たり20万円で新築の家が!」などの訴求が目立っていました。

いつの時代でも消費者は「安さ」を求めています。

だからと言って、値下げばかりを繰り返していけば、いずれは店舗経営が立ち行かなくなるのは明白であり、際限のない安売り競争になってしまいます。

値下げをしても安定経営のためには、知恵が必要となってきます。

つまり、単なる安売りではなく安く見せる技術、それが「安さ感」なのです。

よく、「安さ感」と「安売り」が混同されますが、全く違います。

たとえば、決算セールで「年に一度の決算セール」というチラシはよく見かけます。

しかし、最近そんな安売りを訴求するだけのチラシでは、ほとんど反響はありません。

ところが、キヤッチコピーで印象がガラリと変わります。

「ついにやってきた、年に一度の大決算。決算は決算でも、今年は普通の決算とはここが違う!決算は、会社の大晦日だから、ふだんの売り出しとはまったく違う〇〇の大決算に、ぜひお越しください」

どうでしょうか? 受ける印象はかなり違ってきませんか。さらに、次のような表現ではどうでしょうか?

「ついに、二代目社長が決断!”ありきたりの決算セールではお客様がナットクしない!”と、前社長やメーカーの制止を振り切って、とんでもない価格をつけました!二代目社長、気合の初決算セールのスター卜!」

というように、さらに安そうな印象を受けます。これが安さ感です。

安くなる「リアルな理由」を明確にする

では、なぜ安く感じるのか? それは、安くなる「リアルな理由」を明確にしているからです。

つまり、価格そのものより、その背後にあるリアルな会社や店の事情を知ることで、お客様は安さに共感するのです。

以前、こんなことを書いているチラシが話題になりました。

「お願いします!買ってください!仕入担当者が新人で仕入れすぎて、在庫が溢れて困っています」

このメッセージチラシが反響を呼びましたが、チラシ上に社員のイラストを入れて、仕入担当者が涙ながらに語るというストーリーです。社員全員が土下座(イラスト)をして謝っていますが、これは、仕入担当者1人の責任ではなく、任せた私たちも悪いという連帯責任を打ち出して、お客様の「情」に訴えることで、「そんなに困っているのなら買ってやるよ」と、集客が一気に倍増したのです。

しかし、お客様は単なる「情」だけで買ってくれません。

「仕入れすぎ」→「在庫処分」=「安くなる」

という図式がチラシを見る人が簡単に想像できるから、来店数が増えるのです。

ただ安いというだけではなく、リアルな理由を明確に伝えたことがお客様に受けたのです。

肝心なことは「何割価格を下げる」ということではなく、「なぜ、安くなるのか?」を明確にすること。

販促の達人たちは、いつもそのことばかりを考えているのです。

そのためには社内事情(創業、閉鎖、社長就任、社内結婚など)や、社会情勢(円高、光熱費値上げ、株価下落など)を常日頃からに見つめ、巧妙に使うことが販促を担う店長や販売スタッフの欠かせない要素なのです。