数人の従業員と店長で営業している個人商店は、特に地域で人気となり愛される存在です。しかし、お客様から愛されるがゆえに甘えが生じたり、経営が緩みがちになります。
現代はインターネットで通信販売をし、FacebookやTwitter、LINE、Instagramなど営業方法は多様になりました。だから地域の個人商店だからといって昔のように「地域のキャパは決まっているから、売上も天井がある」というものではなく、増益しようと思えばアイデア次第で可能になりました。
しかし、どんなに人気店になっても経営者は人間です。人間だからこそ落とし穴があるのです。
個人商店が失敗する要因とは
今日は、毎日が転換期だと言えます。何が次に起きるのか、予測が立てにくい時代。このような時代には、まず意識改革、つまり考え方を変える、あるいは発想を変えるなどして新しい施策を実行し、商売の仕組みを変えていかなければならない。
ここで、なぜ店舗経営に失敗するのかをまとめてみました。
◎経営者である店長に経営理念がない。
・・・・・従来のやり方を続け、やがてジリ貧になる
◎顧客志向でない、自分が良いと思うものだけを売る
・・・・・自分が選んだ良いモノは売れる。買わないのは価値がわからない客が悪いという考え方
◎何の考えもなしに話題になった商品を可能性に賭けて即決で仕入れて売る
・・・・・何を仕入れて販売するかという検討が甘く、商品や商売の絞り込みができない
◎外面ばかりを装って内実が伴わない経営に陥っている
・・・・・慢心して対応が遅れる
売上で儲かると資金として蓄積をせずに、散財を繰り返す経営者は自滅する可能性が高い。儲かっていると「自分には優れた商才と運がある」と思い込んで慢心し、そうなると現実を直視する目が曇ってしまいます。無駄な買い物や設備投資、もしくは無駄な接待をして周りには単なる金づるとしか見られていないことに気づかない。こんな経営者の下で働く従業員は不幸でしかありません。
店の売上が好調で儲かっていてもこんなことをしていると、ひとたび不況になれば、すぐさま赤字に転落します。
そして赤字を出してしまうと、黒字化するのは簡単なことではありません。売上が激減し、加速度がつき、たちまち資金繰りにつまずいてしまうのです。
赤字を補填するために資金を借りる~販売が伸びない~資金を借りる・・・悪循環に陥ると借金がどんどん膨らみ、元に戻すのは容易なことではありません。
そしてさらに資金を借り続けるために、実際は大赤字なのに、決算書上は黒字という細工をするようになります。
もはや打つ手はほとんどなく危機的な状況になっているにも関わらず、そこを直視せずに犯罪ギリギリの細工をしてなんとか店舗の存続をさせようと必死になります。
やがて倒産です。
店舗経営者は常に毎日が転換期だというくらいの意識で、商品流通や社会環境の微細な変化を観察しながら改革して、店舗の体力を蓄積していくことに注力しなければならない。
以上、「地域で人気の個人商店が経営に失敗する理由」でした。