店舗経営をする上で必要な情報、また店舗で働く上で必要な情報を集めるのに、まず参考にしなければならないのが、近隣の同業他店の状況です。
もし同業他社より自分の働く店舗が劣っていると感じているのなら、どこに違いがあるのか?比較しながら研究しなくてはいけません。
自分の経営する店舗はは近隣の店舗より勝っているから大丈夫…と安堵しているなら、いずれ近いうちに衰退していきます。そういう場合は、他府県で注目されている同業他店を研究し、よりお店がよくなる方法を見つけなければなりません。
店がお客様を選ぶのではなく、お客様が店を選ぶ時代だかこそやってほしいこと
あらゆる情報が世の中にあふれ、24時間いつでもインターネットで圧倒的な情報がやり取りされています。昔のように店舗が一方的にお客様に広告でアピールできる時代ではありません。お客様が自由にこちらを選べる時代です。
インターネットを利用すれば、他店はどんなことをやっているか?何を販売しているのか?という研究も比較的に容易に行うことができます。新聞に折り込まれる広告もインターネット上に公開されているので、今何が売出し中なのかもよくわかります。
しかし、本当に大事なのは自分が経営する店舗が、お客様にとってどういう存在なのか?を正しく理解することです。
自分の店舗の実態を知る方法
店長または売り場の責任者であるあなたが、自分の店舗がお客様にとってどういう存在であるのかを知る簡単な方法があります。
①同業他店、自分の店舗がチェーン店なら他の支店にひとりの客として、休日に普通に買い物に行きます。
②実際に商品を自分のお金(経費で落とさない)で、定価で購入します。
このように本当に買う側の立場で実感すれば、お客様の気持ちがわかってきます。また他店の接客やサービスの質や特長などがリアルにわかります。
デパートや多くのメー力―が「社販」という制度を設けています。社員であれば一定の割引率で商品を購入することができる制度です。しかし、この制度で購入する限り自社商品への客観性など生まれないし、知ることもできません。
Aというデパートに勤めている人が、BというデパートではなくAで買い物をするとしたら、その理由はなんでしょうか?
本来なら、「自分がAに勤めていなくてもAで買う。それほどAの商品の品揃えもサービスも素晴らしいから」という理由であるべきです。
しかし、実際には、「Aの社員として、愛社精神があるからだ」「Aの社員として、社員割引があるからだ」というところではないでしょうか。これでは失格です。
日本では、愛社精神を誇張する風潮が強く、ある自動車会社の工場の駐車場には、自社の車がずらっと並びます。ライバル社の車で通勤してくるような「不届き者」はいません。実際にライバル社の車に乗ることを望む人は少ないそうですが、では、その理由は?
「うちの車が好きだから」「安く買えるから」というのが多くの答えではないでしょうか。
「ライバル社の車にも乗ってみたけれど、断然こちらのほうがいいからだ」という社員が何人いるでしょうか。
他社製品も使って見なければ自社製品の良さなど、本当に見極めようがありません。
店舗も同様に他店を利用してみなければ、自分の経営する店舗、働く店舗の良さを見極めることはできません。
他店の悪い所を探すより、良い点をとことん探すこと
店舗のサービス業に関わっているのならば、なおさら自腹をきって他店で商品を買ったり、サービスを受けるようにしてください。
そうすることでお客様の視点を持つことができますし、自分が働く店舗のサービスの強みや改善点がわかるようになるでしょう。
ただ、他店の商品を買う、サービスを受ける時に気をつけていただきたいことがあります。それは、他店のあら探しをするのではなく、ぜひとも良いところを探してください。
どうしても自分の店舗の方が優れていると思いたいので、ついつい他店の悪いところを探そうとしてしまいます。しかし、それでは自店の方が優れていると面白は保たれますが、何の気づきもありません。他店の良いところを見つけ、自店に取り入れてみようかと考える方がはるかに勉強になるはずです。
また、他業種でも、ぜひとも地元で流行っている店は実際に行ってみてください。いいところを見つけようとすれば、さまざまなサービスのヒントに巡り合うことでしょう。
お金を払って、セミナーに行くと考えれば、安いものです。実際に体験し実行することで得られる気づきはセミナーでは得られませんから。
以上「繁盛店になるために必要なことを同業他店に学び比較する」でした。