お客様は来店した時は、疑心暗鬼な気持ちと、楽しみな気持ちが交錯しているような表情で来られます。
そしてお店を出られるときには、満点の笑顔で帰っていかれる、それは店舗に従事するスタッフにとって、とても幸せな瞬間です。
お客様を笑顔にすることをまず考える
接客サービスに従事しているすべてのスタッフには、「相手を笑顔にすることをまず考える」ということを肝に銘じて欲しい。
サービスを提供する店舗スタッフとしての自分を相手に評価してもらうことではなくて、無条件に相手が嬉しい気持ちになることを最優先して欲しいのです。
自分への評価を意識すると、サービスは重苦しい作業となりますが、相手を優先して考えたときに、サービスはあなたにとって楽しいものに変わります。
「お客様が笑顔でいるかどうか」
現実にここに気をくばっていると、自然と経営も上手くいきます。
これは、飲食店経営に限らず、サービス業ならみな同じです。
ブティックの店長であれば、ただ服が売れればいいというものではないでしょう。
例えば、一人の女性のお客様が、あるスーツを気に入って試着されたとします。でも、
試着室から出てきたお客様には笑顔がない。おそらくサイズが合わないとか、どうも自分では着こなせそうにないとか思っているのでしょう。
こんなときに、売らんかなで他のものをいろいろ勧たり、あるいは全くお客様に関わらずにいれば、そのお客様に笑顔は戻りません。
どうすればお客様の笑顔が見られると思いますか?
お客様は、なぜ笑顔が無かったのでしょうか?
ファッションに限らず、どんな商品を買う際にも、そのお客様自身が選ぶ基準というものがあります。
それは生まれてからこの日まで、お客様が生きてきた過程で育まれたセンスなのです。
だから、店員のアドバイスは時として、お客様のセンスを全部否定して、商品を押し付けてしまうということになる場合があります。
そのお客様は、そのスーツを着こなしたかったわけです。
だけど、今のままでは、着こなす自信が持てない。だから迷っています。
そうならば失礼のないようにサイズ直しのご提案をしたり、そのスーツをより引き立たせる小物遣いなどをさりげなくお伝えすることで、お客様に自信を持っていただくことができます。
否定して取り替えるのではなく、お客様の選んだセンスを尊重して、それに足してあげることで、さらにセンスアップできる方法をアドバイスして差し上げること。
自信を取り戻せば、お客様はまた笑顔になってくれます。
たとえ、その時はスーツを買うことは控えても、その店のファンになって戻ってきてくれるでしょう。
いつでも相手が笑顔になるように考えていれば、どんなむずかしいコミュニケーションも
うまくいきます。
サービス業だけでなく、どんな仕事でも同様です。
以上「接客マナーの原点とは、相手を喜ばせたい気持ちが全て」でした。