お客様から信頼され、親しまれる販売スタッフになるための方法

お客様に勧めた商品を購入してもらうためには、どんな接客トークをすればいいのか? そのために必要なこととは、マーケティングを意識するのでしょうか? 商品の仕様を覚えたりすることでしょうか? 

どれも違います。いつも行っている接客トークを基本として、少しだけプラスアルファすれば、格段にお客様の購買意欲を高めることができます。

信頼され、親しまれる販売スタッフになるための接客トークとは何かを考えてみましょう。

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お客様自身が将来得られるメリットを想像させる話し方をする

お客様の最大の関心事って何かご存知ですか?

それは、目の前に並ぶ商品を購入すれば、自分にとっていったいどんなメリットがあるかです。

だから、販売スタッフはその商品を購入することで、どんなメリットが期待できるのかを、お客様に十分に想像させることが大切です。

たとえば、販売する商品がシャンプーだったら、「髪に滑らかな艶と光沢が出て、枝毛もなくなり、美しくなります」というセールストークだけでは、不十分です。

その言葉に加えて「彼氏もきっと、よろこんでくれると思いますよ」「素敵な恋人ができるかもしれませんね!」と言ってすすめると、お客様自身の想像力が刺激されて、お客様がその商品を使ってみたいと思うはずです。

また、お豆腐の販売では「健康にもいいし、とってもおいしいですよ。いかがですか?」というセールストークに加えて、「もしかして、ご家族も、そろそろ、さっぱりした料理が食べたいのでは?」「夏バテで食欲のない方には、もってこい。ご家族の体力と健康にひと役買いますよ!」と言ってすすめれば、家族がおいしそうにお豆腐を食べる姿が思い浮かんで、手を伸ばしてくれるかもしれません。

このように、『お客様の想像力を刺激するセ—ルス卜—ク』で迫ってください。

そうすれば「商品価値」も向上します。

この先々のメリットを十分に想像させる販売の手法は、生命保険などの金融商品でよく見かけます。

「病気になったらどうする?」「高齢になったらどうする?」「死んだらどうするの?」と生命保険の呼びかけには現実問題として自分に降り掛かってくるだけに、思わず加入してしまうのです。

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お客様を「お客様」と呼ばない方が効果的な理由

ベテランの販売スタッフは、お客様のことを決して「お客様」とは口にせずに必ず名前で呼びかけるという。

「あら、佐藤さん、お元気?」「あぁ、小林さん、お久しぶりねえ!」「まぁ、山田さんじやないの!最近どう?」こんな具合に、お客様も名前で呼ばれると古くからの友人に出会ったようで、警戒心が薄れます。

初対面で、お客様の名前がわからない時は、「あら?小林さんでしたっけ?ごめんなさいね。お名前、忘れちゃって」などと言いながら、ちゃっかりと本人から名前を聞き出して、次からは名前で呼びかけます。

実演販売スタッフも「お客様は普段なんて呼ばれてるんですか?」「お嬢さん、名字だけでいいから、教えてください!」そう言って、その場にいるお客様の名字やニックネ—厶を聞き出し、「コバちゃん」とか「夕—坊」「白鳥さん」などの名字、ニックネ—ムで呼ぶ販売スタッフもいます。

その効果は絶大で「販売スタッフとお客」という関係以上に親しみがわいてきます。

だから売場が断然、盛り上がり販売力もアップします。

職場でも「部長!」とか肩書で呼び合うよりも、名字に「さん」付けの方がアットホームで楽しい職場に見えますから、販売を担うスタッフのみなさんも「お客様と名前で呼びあえる関係」を築いていってください。

名前での呼びかけで、間違いなく販売力はアップします。

人は、誰でも’自分の存在を認めてほしいと思っています。そして人は誰でも’自分の存在を認めてくれる人に、好意を抱くものなのです。

商品はお客様に選ばせるように誘うと購入確率が上がる

上層階にあるレストランに入つて席がガラガラに空いているのに、「こちらへどうぞ」と、ご丁寧に案内されたのは、景色のまったく見えない隅のテ—ブルだったらどう思いますか?

「どうして、他の席が空いているのに好きな席に座らせてくれないのだろう?」とおいしい食事をする前に、テンションが下がります。

これは、お客様から「決定権」を奪っているのです。

販売の世界もお客様から「決定権」をどんどん奪うような接客をしていると嫌われます。

たとえば、ブラリと売場に現れたお客様に、「これが一番です」「この商品がお勧めです」「これが絶対お買い得です」といって、特定の商品ばかりを勧めると、そっぽを向かれ、お客様は逃げるように去っていきます。

お客様にとって、売場でたくさんある商品を目の前に「どれにしようかな」と、考え込むのは、お買い物の楽しみのひとつでもあります。

その楽しみを奪ってはいけません。

したがって、それぞれの商品の特徴やメリットを説明してあげてから「お客様、どれにしましょうか?」と微笑みかけることによって、お客様は自分で選び、納得して購入することができます。

家族連れは均等話法で接客をすること

売り場で、家族連れのお客様を相手に接客している販売スタッフがいます。

この販売スタッフは、財布の紐を握っていると見られる奥様だけの接客に夢中になっています。横にいる旦那様なんて、そっちのけです。この接客はいけません。

旦那様にも適度にアイキヤッチ、アイコンタクト、そして「語りかけ」をしてください。

もし、他に小さなお子様がいたら、子どもにも視線を合わせて微笑むこと。

こんな感じに、家族連れの接客は、均等な会話をこころがけて、家族全員を接客してください。そうすれば、商品の購入率がアップします。

均等会話法がなぜ効果的かというと、実は実権を握っていると思われる奥さんが、売場でモジモジしている時、小さな声で「買おう」という旦那さんのひと言で購入が決まるケ—スは結構多いから。

特に高額な商品の場合は、奥様より旦那様が陰の実権者であり、決定権を握っているものです。

もし、接客時に旦那様を無視すれば、自分が相手にされていないことに不満になり、「もう帰ろう」と言って奥様を販売スタッフから引き離そうとするかもしれません。

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