閉店・経営危機に直面した店長が示すべき姿とは?

突然の経営自粛を公的に伝えられる、天災や社会情勢によっても店舗経営は上下し、ずっと平坦な道を歩むことはありえません。

だから経営を担当するのが店長は、社会学者であると同時に心理学者であり、スタッフから見て理性の人であるとともに情熱の人であり、なによりも強烈な意志をもち、知謀にすぐれ、仕事をこなすためのあらゆる手段をマスターしており、説得の術を心得ている人であることを目指しています。

閉店・経営危機に直面した店長が示すべき姿とは?

もしも経営している店舗が、なんらかの理由で閉店や経営の危機が迫っているなら、店長としてスタッフやお客様に示さなければならない姿があるのではないでしょうか。

広告

店長は現場に旗を掲げて意思を表示しよう!

危機が迫った店長がまずやらなければならないことは、まず自分がしようと思うことを確定し、店長の施策を内外に宣言することです。宣言することで人々の協力が得られやすくなります。

きちんと現在の状況を鑑みて日頃から希望を明示すれば、店舗スタッフは店長の希望に添いたいと努力するし、お客様にも言わずとも伝わり売上に貢献してくれるかもしれません。

広告

スタッフのモチベーションを最大限に活かす

店長自身も自分の考えを外にあらわすことで、逆に自分の考えがまとまり、決意が固まるものです。

店長は常に店内の状況や社会情勢に店内の誰よりも関心を持って、スタッフのモチベーションとエネルギーを最も効果的に発揮できるように、危機を脱するために必要な様々な企画を準備しておらねばならない。

現在の情勢を広い視野で見て判断

関連業界や近隣の同業店舗の状況だけでなく、広く内外の情勢を判断し、その真相を洞察するとともに、将来の推移を予想することが大事です。

閉店・経営危機を回避するヒントは周りにあります。そのためにはこれまでの自分の考えや視点に固執してはならないのです。頑固な店長ほど目と耳を塞ぎがちで視野が曇っています。そうならないように気持ちをクリアにしておきましょう。

迷いはほどほどにして施策を実行し収穫すること

店長は強い意志力をもって仕事を実行し、その成果を収穫しなければならない。

いかに立派な経営学を知っていても、その知識を有効活用して企画を立てて実行し、収穫しなければ危機を回避するという店長としての責任は果たせません。

店舗が不安な状況であれば、理想ばかり掲げて収穫することのできない施策よりも、現実に沿った案で僅かであっても収穫が見込める施策のほうがよいのです。

だから店長に求められるスキルは、営業企画力にすぐれ、発言に説得力をもち、戦略戦術家の素質が必要ということです。また戦術を楽しめる性格であればなおよしです。

どんなひどい状況下でもリラックスに務めること

経営に熱中すること。しかし熱中するあまり視野が狭くなって判断が鈍り方向を見失うこともあります。

もしも進むべき方向を間違ったと気づいたら、ただちに引き返す頭の柔軟さが必要です。つねに気持ちをリラックスさせるためには店長自信が自分の人生に自信をもつことです。

ではどのようにすれば自信を持つことができるのでしょうか?

店長は日々の勉強を怠らず、修養すること

店長は読書力、作文力、人の話を意欲的に聞く姿勢が大切です。危機的状況にあると「そんな時間は無い」と放棄しがちですが、時間が無いのではなく時間を作ろうとしない、時間があることに気づいていないことが問題です。

学ぶ姿勢が見えない店長では、スタッフも不安になり定着しづらくやがて経営破綻して閉店になるということは逃れられません。

閉店・経営危機を乗り越える店長の条件

経営というものは必ず困難をともないます。永遠に順風満帆の状況が続く店舗経営はありえません。

「絶体絶命の苦境を抜け出してやる」という気力と執念こそ、店長に最も必要な精神的要素であり、これは実に店舗経営の運命を左右します。

また経営は不確実な要素をどう処理するか?が苦境を粘りぬく強靱な意志をささえる大切なポイントです。

人、物、金、不確実な要素はいずれにもあります。変転する情勢を見とおし、少しでも早い決断を下すに必要な策を心得ていなくてはならない。

人を動かすには統率力を必要とします。金を動かすには金融機関に対する信用がなくてはならない。物を動かすには科学的知識が大切です。そしてこのうち最も重要なのは統率力です。

店長の条件として最後にくるのは社会的な責任です。小さな店舗でも、万一のことがあれば、スタッフは少なくても、その家族および取引先やお客様のことを考えると、実に大勢の人の生活が店舗にかかっています。それを知って日々責任を感じながら働く店長であれば、どんどん強く成長していけます。身についた強さで店舗経営の難局を乗り越えることができるはずです。

アメリカのロックウェル社のウィラード・ロックウェルニ世会長は、「社長には次の十二の帽子が必要だ」、と伝えています。店舗経営者にもあてはまることではないでしょうか。

◎船長の帽子・・・船の舵を正しくとる。

◎開拓者の帽子・・・新生面を切り開く。

◎易者の帽子・・・勘をとぎすます。

◎興行師の帽子・・・芝居を打つ。

◎マラソンランナーの帽子・・・持久力。

◎最高裁判事の帽子・・・評価、判断の力

◎学徒の帽子・・・新知識を吸収し活用する

◎新聞記者の帽子・・・真実をえぐり出し周囲をPRマンにさせる

◎コーチの帽子・・・チャンピオンを鍛え上げる

◎十字軍兵士の帽子・・・大義のために毅然と戦う

◎鉱夫の帽子・・・仕事とアイデアを掘り進む

◎スーパーセールスマンの帽子

文化人類学者の川喜田二郎氏が伝える、望ましい社長像

①問題提起においては芸術家のように。

②現状把握は科学者のように。

③本質追求は哲学者のように。

④構想・計画においては政治家のように。

⑤手順化においては技術者のように。

以上、「閉店・経営危機に直面した店長が示すべき姿とは?」でした。

テキストのコピーはできません。