スタッフからの進言を真摯に受け入れる度量の大きな店長は、経営を窮地が救うことができる

誰でも自分が「嫌だ」と思っていることを、あえて言葉で指摘されると腹が立つものです。

正しいことも、自分が嫌いな人間から進言されると、内容に素直に納得できないというのは社会人として情ないことだと思いませんか。

店舗の経営を担う店長であれば、どれだけスタッフの苦言を素直に受け入れられるかによって近い将来起こるかもしれない危機的な状況を事前回避できるかどうかが決まります。

しかし、責任を背負う店長には、自分が店を起業して苦労を乗り越えて経営してきたというプライドがあるので、スタッフからの苦言を素直に受け入れることは心理的に難しいのではないでしょうか。また、店長の機嫌の変化が怖くて苦言を呈してくれるスタッフがいないというのが実情でしょう。

そんな状況で店舗にふりかかる危機的状況を回避したり、乗り越えたりできるのでしょうか?

スタッフからの進言を真摯に受け入れる度量の大きな店長は、経営を窮地が救うことができる

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言いにくいことをあえて進言するスタッフの心情に寄り添う店長であることが、危機を未然に回避する

「君主の側近に諫臣(苦言を呈する家来)が三人いる国は亡びない」と、中国の古書は伝えていますが、それは店舗組織においても同じです。苦言を呈してくれるスタッフを大切にし、「もっともだ!」と思ったら、気持ちよく受け入れるように努力して、それを実証してみせることが必要です。命令は迅速に徹底させねばならない。そのために進言はそれ以上のスピードで採用し、検討をして実行することが大切です。

しかし、進言するスタッフは心理的にとても高いハードルを乗り越えてきたことを店長は理解してあげなくてはいけません。

例えばどうしても店長に直に進言したい要望があるとき、スタッフはこんなことを考えたり、心のうちで葛藤したりしているのではないでしょうか。

◎店長が内々に計画していることを、そうとは知らずに同じような企画を提案したら生意気だと怒られないだろうか?

◎店長が現場で教えてくれたことと違ったことを裏でやっているのを見つけて、「言っていたことと違う、ズルい」「スタッフを差別して教えている」と指摘したらクビにされるかもしれない

◎進言が採用された場合、自分を嫌う他のスタッフから妬まれて嫌がらせがあるかもしれない

◎店長の落度を暴くことになり、正論であっても自分の行動で店舗にいられなくなるかもと不安になる

◎進言しようとしている内容が、店長の批判になっていないか怖い

◎店舗の経営状況を無視した内容と思われないか?、やむを得ない事情あることを知らずにでしゃばるなと否定されるかもしれないから不安

◎店長の信頼を裏切り、人格から否定されるかもしれない

◎細かいことを言うなとうるさがられ嫌われるかもしれない

このように進言しようとするスタッフは、かなり店長に対して気を使っていることを知らなければならない。

進言してきたスタッフに対して店長が示すべき姿勢とは?

店長に進言するということはよっぽどのことであり、店で勤務することに危機感を覚えているのかもしれません。そしてとても勇気のいる行為です。店長は意見を素直に聞き入れる姿勢をみせて、すぐに検討することも必要です。

▼進言してきたスタッフをまずは理解してあげよう

◎スタッフが進言した内容が利己的なものかもしれないと思っているなら、大義名分を裏付けてあげよう

◎つまらないこととわかっていて、進言した行為そのものに悩んでいたら、スタッフに自信をつけてあげよう

◎店長が掲げる高い理想を重荷にしていたら、「その理想は急には実現できないから、無理に実行しないでよい」と安心させてあげよう

◎スタッフが自身で考えたまずい計画を自画自讃していたら、別の例をあげて、それとなく知恵をつけてやり、知らぬ顔をして手柄にさせよう

◎スタッフが取引先に対して不平不満を進言するなら、それが取引先と付き合う意味を理解させ、スタッフ個人にとっても利益になることをほのめかすこと。

◎不道徳な進言をしたと悩んでいるスタッフには、同様な例をあげて、「たいしたことではない」と気を楽にさせ、失敗して気を落としているスタッフには、別の例をあげ、失敗ではないことを証明して気を取り直させよう

◎スタッフが自信を持って勤務しているときには、その能力をけなさない。決断力に富むと思っていたら、決断の誤りを指摘しない。計画に巧みだと自負していたら、その不備をいってはならない

スタッフの信頼を完全に得るまでは、落胆して仕事を辞めないようにあらゆる配慮をしよう。スタッフの信頼を得たならば、思うように意見を突き合わせればいい。

相手が自分をどう思っているかを確かめ、もし悪く思っていたら、手段をつくして相手の気分をよくしておいてから、話をすすめること。

店舗の危機はほんの些細なことではじまります。危機を事前に肌で察知できるのは、最前線の現場で働くスタッフたちです。

「そんなに大げさに考えなくて良い」「うちには関係のないこと」「あとで聞くから」などと適当にあしらっていると取り返しのつかない事態になるかもしれません。

店長は素直に聞く耳を持ち、現場の意見を第一としなければ迫る危機を未然に防ぐことはできないのです。

以上、「スタッフからの進言を真摯に受け入れる度量の大きな店長は、経営を窮地が救うことができる」でした。