非常事態宣言時の難局を乗り越える店舗経営戦略

非常事態宣言時の難局を乗り越える店舗経営戦略

2020年始めは新型コロナウイルスによる商売への影響は少ない、すぐに収まるだろうと店舗経営者の誰もが思っていました。しかし時間とともにそれがただごとでは無い状況となり、4月には非常事態宣言が出されました。
2月、3月頃からマスクが不足しはじめ、4月に入るとどこに行っても手に入らない、もしくは高額で売買されたりするようになりました。
5月下旬には順次緊急事態宣言も解除されていきましたが、この状況は店舗経営者にとって貴重な経験となっているのではないでしょうか。
閉店を余儀なくされた経営者も多く居ます。店舗が閉店すれば、そこで働くスタッフは露頭に迷うことになります。そんなマイナス面もありますが、再度この状況が将来訪れたら、どう店舗経営をすればいいのか? 何を売り、何を仕入れるといいのか、今回の状況を振り返りながら少し考えてみました。

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マスクが無い状況で見えた新たなニーズ

ドラッグストア、薬局、コンビニ等からマスクが消えた日から人々はマスクを求めて店長に詰め寄ったり、危険な状況もありました。店長も売るための商品が入荷しなければどうしようもありません。そして目的の商品がない店舗には、お客様の足が遠のき全体的な店の売上にも響くようになります。

店の売上が減少すれば、経営者がまず考えるのは人件費の削減や時短営業です。でもその前にできることはないだろうか? スタッフを削ると優秀な人ほど経営者を見限るかもしれないし、時短すればお客様に迷惑がかかります。

ここで商品が入荷しないと不満や愚痴を言って立ち止まっているよりも、発想を転換してこの状況でお客様に何を提供できるのか? を自分の店舗で扱っている商品やサービスを眺めながら経営戦略を立てることができるのではないでしょうか。

マスクの入荷が不足したとき、在庫のマスクを他の商品と一緒に抱き合わせ販売をする。

「抱合せ販売」も商いの手法ですが、今回はどちらかというとお客様や社会の反感を買ったようです。
なぜ反感を買ってしまったのでしょう?

それは明らかに「売れ残るような商品」や「高額商品」と抱き合わせ販売したからです。
同じ抱合せ販売するのであれば、その時の状況をよく見てお客様のニーズを鑑みたり、お客様に安心を提供できるような商品を選択すべきです。店舗の利害ばかりに目がとらわれるとお客様の心は離れていくでしょう。

手作りマスクの流行

店に売っていないのなら作ればいい・・・と動いたのは消費者のほう。考えてみれば無いなら作りましょう!という動きは容易に発想できるので、店舗の中にはいち早くお客様に提案していた所もあるかもしれません。
仕入れを担う店長としては、マスクを手作りするとなれば何が必要となるか?お客様のニーズをどこまで想像できるかで経営手腕が問われます。

◎マスクを手作りするなら・・・材料が必要
ガーゼ、布、ゴム紐、裁縫セット、ミシン、布接着剤、型紙、作り方のテキストや動画など

店舗で材料だけ列挙するだけでは不親切です。
・マスク3つ分の材料をセットする
・手縫い用や裁縫が苦手な人のための接着剤とセットなども考える
・デザイン的にこだわりたいなら布の模様にもバリエーションをもたせる
・ゴム紐が欠品したなら、代用品を提案する。

◎手作りマスクの管理方法も提案する。
・洗濯の方法や乾かし方の提案
・消毒用の洗剤、洗濯用の小ぶりのネット、小さなハンガーなど

◎さらに裁縫に興味を持ち始めたら
・手作りマスクポーチの提案
・マスクのカスタマイズの提案

◎裁縫関連の書籍も売れる
店舗からのレビューも書き添えて、お客様の裁縫技術レベルに合わせた本の紹介をする

営業自粛の飲食店を変えた状況

・これまでにないテイクアウト商品の販売を行う
・出前を行う
・コンビニ弁当や弁当専門店にはない魅力あるメニューを提供する
・積極的にSNSを有効活用して売れ残りをなくす
・腐りにくいメニュー、健康を考えたメニュー、地域住人の家庭環境を考えたメニューの提案と販売
・電話やメールによる御用伺いを積極的に行う

外出自粛要請から生まれるニーズ

「おうち時間」と称して家で長期にわたって過ごすことになれていない人がいたことや、日本はまだまだネット環境が暮らしに浸透していなかったことなど、意外と多かったことに気付かされた今回の状況。
ここでも実に多様なニーズが有ることがわかりました。

◎テレワークになったことでパソコンの需要が増えた
・WEBカメラやスピーカー、マイク付きヘッドセットが売れる
・オンライン授業や会議のノウハウを説明した有料セミナーが行われる
・パソコンに向かう時間が長くなり、子供から大人まで肩こりが増えて、肩こりを緩和する商材が売れる
・疲れないパソコンデスクやチェアが売れる

◎運動不足になることで自宅用のストレッチ器具が売れる
・健康ストレッチ器具が売れる
・体を動かして画面と連動できる運動ができるゲームソフトが売れる

◎買い物に行けないから
・配達が増える
・宅配弁当や食材などへのニーズ
・長期保管できる食材や、保管するケース(収納ボックス)が売れる
・冷蔵庫の買い替えが増える
・ホームファッションの提案
・昔ながらの電話による御用聞きを行い、商品を配達する
・食材セットの販売

◎父親が家にいるなら
・家の修繕、DIYへのニーズが増えることによる提案
・お酒の需要が増えるのでお酒とそれにあるおつまみの提案と提供

◎接触回避に対して、ドライブするー方式で商品を販売
食材等なら店舗が選んだ食材セットを少し安くして提供し、生産者保護に務める。
食材セットには簡単にできるレシピもつける。反対にお客様からの食材リクエストも聴く。

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お客様ニーズをどこまで多様に捉えられるか

こうしなければならない。これしか売るものがない。こういう使い方が常識。などと固定概念にとらわれていては多様なお客様ニーズを発見できません。
店舗にある商品やサービスにどのような価値を提案して販売すればいいのか?ひとつの商品に何かをプラスアルファすることで違うニーズが生まれるかもしれません。柔軟な発想なくしては困難な状況を切り抜けることは不可能に近いと思います。
ただ困難が過ぎ去って行くのを座して待つのもひとつですが、経営者であり店長であれば、店舗の商材をお客様のためになるような企画を考えて提案力を持った販売をしましょう。