新人スタッフが一番悩むのは、困りごとやわからないことを誰に相談すれば良いのか?ということです。
店長に相談するのは緊張もするし、気が引けます。でも日々現場で共に汗を流す中堅スタッフの先輩なら相談しやすい。
そして新人スタッフがまず接するのは、中堅スタッフです。仕事のノウハウややり方を詳しく習ううちに、自分もこのように頼れる存在になりたいと思うものです。
中堅スタッフは新人の身近な目標となる
このように中堅スタッフは新人スタッフにとって一番身近な目標です。中堅スタッフが成果を出していて魅力があるという店舗は、新人スタッフのモチベーションも高くなります。中堅スタッフを具体的な目標として、新人スタッフが頑張るから店舗の活性が高まるのです。
一方で中堅スタッフは、仕事に慣れが生じてマンネリ化に陥りやすい時機に差しかかっているとも言えます。新人スタッフも入社から3〜5年もすると、店舗スタッフとして「ほぼ一人前」となります。
マスターしなければならない知識・技術の8割ぐらいは習得しています。しかし、この時機から成長スピードは急速に鈍化していくものです。8割というのは成長の飽和点でもあり、残り2割の知識・技術を習得していくのには非常に長い時間が必要となります。
この時機に差しかかった中堅スタッフには、マンネリ化を打破するため、新たな目標設定が必要です。
目標設定は店長自らが支持してしまうと「やらされている」感がでてしまうので、店長はアドバイスのみを行い、自分で設定させること。自分で目標設定することで「自ら考える」「責任感が生まれる」などの効果があります。
中堅スタッフには、次のリーダーを担えるぐらいに育って欲しいものです。
では、目標設定のためにどんなことを任せ、そしてアドバイスをすれば良いのでしょうか?
店の一番となる商品づくりをスタッフに任せてみる
店にとって、一番の商品やサービスを持っているとそれがウリになって顧客を引きつけやすい。またその商品を自信を持って顧客にお勧めしやすいし、顧客の再来店を促しやすい。なぜなら顧客は同じお金を払うなら、より良いものが欲しいと思うからです。この店で一番の商品やサービスに惹かれるからです。
二番以下の商品やサービスをいくら持っていても、競争が激しくなると経営成果が出にくくなります。一番の商品やサービスを持っている企業や店舗は主導権を握り、利益を確保できます。
スタッフのレベルでも専門知識とか実務能力において、競合より優れてた店舗スタッフのいない店舗は、競争が激しくなると利益が出にくくなります。
<商品の一番化を図るポイント>
①商圏を絞る、②客層を絞る、③商品を絞る、ということを行えば商品の一番化は狙えます。
店舗スタッフが中心となって、これまでの経験で得た専門知識とか実務能力を持って、一番商品づくり(専門分野づくり)を進めさせよう。
ある特定の客層とか、ある特定の商品・サービスで、自分の一番領域を持っている人は、自信を持っています。その自信をつける機会を設けてあげよう。
成果を出していく時に大事なものは自信。
自信を持って行うのと、持たずに行うのでは、結果は大きく異なります。だから中堅スタッフが中心となって一番商品づくりを行い、適切に店長が支援することは、店舗の活性化と業績アップにとって非常に有益なことなのです。
中堅スタッフにリーダーシップを発揮させる
店の一番商品づくりと併行して行わせたいのが、中堅スタッフによるリーダーシップの発揮です。
リーダーシップというのは、リーダーだけが発揮するものではなく、店舗スタッフ一人ひとりが自分の役割・責任に関して発揮していくことです。
中堅スタッフの時からリーダーシップを発揮させていくことは、次期の部門責任者や店長候補を養成する重要な下地づくりとなります。是非、機会を与えてあげてください。