店舗によっては、人材不足で求人しても若いスタッフが集まりにくい業種があります。
だから店長よりも年上のスタッフを、採用せざるを得ない場合もあります。
もしくは本店から任された支店が、年上のスタッフばかりだったという場合もあります。
店長としての経験が浅い場合は、年上スタッフに対して上手く指示ができずにいることもあるという。
また、若輩者が何を言うかと、反発ばかりして自分のやり方を変えないスタッフもいるでしょう。
とにかく言うことを聞いてくれない・・・。
勝手な行動が目に余る・・・。
これではやる気に満ちた若い店長のテンションも下がってしまい、ストレスが貯まる一方です。
年上スタッフの中で、どのように振る舞えば打ち解け、協力して店舗を盛り上げることができるのか、1人で悩まずに考えてみましょう。
協力を依頼し、相談を怠らず、感謝を伝えることで、強力な支援者になってもらいましょう。
謙虚な気持ちでスタッフに協力を求めよう
店長の自分よりスタッフが、年上のアルバイトやパートの場合は、飲食業や小売業では珍しいことではありません。
女性の多い職場、カフェやインテリア雑貨店、アパレル、美容院やリラクゼーションサロンなどでは、若い女性店長と年上の女性メンバーたちで仕事をすることがよくあります。
そんな店舗で「やりにくい・・・」と感じる若い店長は多いのではないでしょうか。
でもこちらの姿勢次第で、雰囲気はガラリと変わるはずです。
年上のメンバーが多いお店で働くことになったら、「可愛がってもらう」のが1番。
スタッフみんなから好かれて、「店長のために、頑張ろう」と協力してもらえる関係を築くのです。
大人として社会経験を積んできた年上スタッフから見れば、自分より若い店長に命令されるのは気分がいいものではありません。
あまり社会経験もないような人に、あれこれと指示されるのは面白くないから、店長の言うことを聞こうとしなくなるのです。
ただ、店長はここで甘く見られてはいけません。
どうするかというと、店長としての威厳を示すより、年上から好かれるようにすることです。
どんな人でも、誠実で一生懸命な人には、基本的に協力したくなるものです。
店長からスタッフを信頼して頼るようにすれば、協力してくれやすくなります。
例えば、経験豊富なスタッフの中には、マニュアルなどとは違って、自分なりのやり方で仕事をこなしている場合があります。
そんなスタッフに正面から、「マニュアルを守ってください」と説得しても、納得してもらうのはとても難しいことだと思います。
改善してもらう方法としては、まずは一人ひとりに協力を要請することです。
「まだまだ若輩者で経験もないですけど、店長を拝命したので全力でやりたいと思っています。そこで○○さんの協力が必要です。力を貸してください!」
こんな一言を最初に言っておくのです。
そして、「店長という立場なので、厳しいことを言う場合もありますが、それは許してください。仕事なので、○○さんが嫌いとかではないのです。厳しいことを言うのも私の仕事なので、もしそういうことがあったら申し訳ないですが……人前では言いませんが、はっきりと言います。それを、許してください」と、先に謝っておきましょう。
全スタッフにこう言って最初にお願いしておくこと。
事前に種を蒔いておくことが非常に重要です。
種を蒔いておけば、いざ何か問題があったときにも、「○○さん、この前言ったとおりなんですが、これはマニュアルどおりではないのでちょっと困ります。こういうふうに変えてもらえますか?」と、自然にお願いすることができるようになるのです。
年上スタッフを自分の協力者となってもらう
事前の種蒔きをしていない場合、どうなるでしょうか?
「あの店長、若くて何もわかっていないのに生意気だ」と思われて、年上スタッフが反発する可能性があります。
それが現場で影響力のあるスタッフだった場合、他のスタッフだちと徒党を組んで「店長対スタッフ」という対立構造になってしまうこともあります。
こうなるととても厄介です。
それを防ぐためにも、年上スタッフに対しては事前に細かく相談することを怠ってはいけません。
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若い店長から、わざわざ相談を持ちかけるという姿勢が大切
「このやり方をこういうふうに変えようと思うのですが、どう思いますか?」
事前にこのひと言があるかどうかで、相手の協力を仰ぐ上で効果がとても大きい。
店長の相談に対してその店舗スタッフが、
「それ、いいと思いますよ」
と年上スタッフが賛同したら、その人は店長の味方になったということ。
事前の相談がないと、「あの店長、また勝手に決めて……」と思われて、裏で何を言われるかわからないので、とにかく相手が納得するまで相談することです。
「納得いかないかもしれませんが、それも踏まえて協力してください」
「なんとかお願いできませんか?」
このように年上スタッフに協力を仰ぎ、本当に協力者、支援者になってもらいましょう。
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他のスタッフのお手本になってもらう
お手本になってもらうというのも、説得するための理由になります。
「スタッフ皆が○○さんをお手本にしているから、お手本の○○さんが違うやり方をしていると影響力が大きいので、マニュアルのやり方に修正してもらいたいのです」
このように説明すると、納得してもらいやすくなります。
また、それをきちんと他のスタッフたちがいる前で、「皆、○○さんがよくわかっているので、○○さんのやり方をよく見てお手本にしてください」と言えば、確実にやってくれるようになります。
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感謝を口に出して伝えること
「○○さんに手伝ってもらっていつも助かっています」
「○○さんの協力には本当に感謝しています」
など、折に触れて伝えるように心がけましょう。
どうしても若い店長に馴染めないなら、そのスタッフに辞めてもらう決断をする
中にはとても頑固に自分流を曲げない人や、店長の方針に反発ばかりする人もいます。
いろいろ手をつくして協力を要請しても言うことを聞いてくれないのなら、最終的には辞めてもらうことを考えます。
最終的な通達をする前に、店長の自分が細かい相談を重ねて、配慮をするようにしていきます。
しかし、そこまでしても変わらない相手だったら、辞めてもらったほうがいい。
厳しい言い方になりますが、そのスタッフのためにお店があるわけではありません。
その人が居るために、他のスタッフの環境に悪影響が及ぶことにもなりますし、店舗内の雰囲気も悪くなります。
特にお客様はそんな暗い雰囲気には敏感です。
来店客数が減少したり、嫌な噂が立つ可能性もあります。
一緒に働くスタッフには、強力な支援者になってもらって長く働いてもらいたいもの。
どうしても反発されてしまったり、やり方を変えてもらえないようなら辞めてもらうことです。
店長として、そのスタッフに対してやれるだけのことはやったうえで辞めてもらうというのなら、「しかたないよね」「店長もあの人のせいで大変だね」と、他のスタッフたちは反対せず、店長の味方についてくれるでしょう。
店長が誠実に対応している姿を見れば、おのずとそういう流れになっていきます。
ただし最初から年上スタッフに対して、苦手意識を持つようなことはしないようにしましょう。
苦手だなと感じる人がいたら、あえてその苦手なスタッフに強力な支援者になってもらおうと思うことです。
実際、経験豊富で意志の硬い頑固なスタッフは、自分の味方についてくれたら最大のバックアップをしてくれるはずです。
1度味方になると裏切らず、早めに味方になってもらえれば甘えることもできます。
力のあるスタッフなのですから、頼りにすればいいのです。
自分の代わりに仕事を任せたりして、その分、自分の作業を減らせてクオリティの高い仕事に集中することもできるでしょう。
そういうプラスにもマイナスにも影響を及ぼすような力があるスタッフは、うまく協力してもらうことが1番です。
以上「年上のスタッフが言うことを聞かない!年下の若い店長の悩み解決法」でした。