この会社が経営している店舗でぜひとも働きたい。そう思っている求職者は、その会社の仕事内容や様々な条件を調べて、自分が最も求めていた場所だと期待して求人に応募してきます。
しかし書類上では納得していても、実際に面接になった時に予想もしていなかった条件を言われたりすると、今まで抱いていた会社のイメージに疑問を持つようになります。
また昨今は音声がTwitterなどSNSで拡散されて社会問題になるケースがありますが、求職者も「言った言わない」のトラブルを避けるためにスマホの録音アプリや音声レコーダーを忍ばせていたりと自己防衛していることも頭に入れて置かなければなりません。面接時の音声も「録音されている」と思って取り組むことが必要です。
ずっと期待を持ってもらうためには、何を伝えておくべきなのか?またその伝え方はどうすればいいのか?考えてみませんか。
将来のビジョンと求職者に求めるもの
アルバイトでも正社員でも、入社前に自社のことをどこまで伝えるべきでしょうか? きちんと言うべき部分と、言わなくてもいい部分の境目を見極める必要があります。例えば、面接時にこんな応対をしていないだろうか?
企業側「うちは正月も初売りとかあるから、休めないよ!」
求職者「…………(働きたいけどちょっとここは厳しそう」
こういった場合、内定を出しても、求職者の辞退率は高くなります。したがって、入社前には「誰もが拒絶してしまいそうなことは、いきなり伝えない!」が正解です。
しかし、入社前に伝えておかないと、いざその時になると「辞めてしまうのでは」と心配するのはもっともなことであるし、雇用する側としてはどっちつかずになりがちです。
では、どうすればいいかのか?
「入社してしまえば、会社の意向に従って行動するもの」。
これが答えなのです。しかし、これは後の会社からのフォローがきちんとあることが条件です。何もフォローせずに機械的に働かせてばかりでは、やがて不満が蓄積して退社や内部告発に繋がります。
入社前には何を伝えればいいのか?
若者の企業への定着率が落ちているその理由として多く挙げられるのが、「将来に不安を感じる」というものです。
・いつ自分の会社がなくなるかわからない社会背景
・キャリアプランが描けない
・会社にモデルとなる先輩社員が見つけられない
これらのことが、求職者の不安の原因となっています。
入社前、企業側も求職者側もお互いに良い面しか見せ合わず、いざ入ってみたら「こんなはずではなかった」「この会社にずっといて大丈夫なのか」ということが起きる。それでは、具体的には何を伝えればいいのだろうか。
大きく分けて3つにまとめることができる。
①若手社員との交流によリ、3年後をイメージさせる
3年後の自分の姿を想像させるためには、自社の3年目の社員の姿を見せることです。入社前に若手社員交流会などを開くことで、お互いに本音を見せ合える環境を作ってあげる。
アルバイトでも長く勤める先輩スタッフや社員との交流は大切です。
②入社後に求職者に求めることを明確にしておく
どれだけ優秀な人材でも、会社の中で何を求められているのかがわからないことには、力を発揮する方向性を見出すことができない。「あなたには○○を期待しています」と伝えることが大事です。
③経営陣による経営理念や会社ビジョンを伝える
経営者が経営理念や会社のビジョンを明確に提起しなければ、社員は自分の仕事がどのように役立っているのかを実感しにくいもの。自分自身の存在意義を実感することができず、結局「こんなはずではなかった」ということにつながり、離職へと進んでしまうのです。
そして最後に、自社の抱える問題も伝えておく必要があります。
そうしなければ、「そんなこと聞いていない」ということにもなりかねない。その際には「この間題に今本気で取り組んでおり、ぜひあなたにも力を貸し…てもらいたい」と言い添えることで、問題点を明らか一にしたにもかかわらず、求職者のモチベーションをアップさせることができます。前向きな人なら一緒に問題解決のために役に立ちたいと思うはずです。
以上「求人対策において、入社前に求職者に伝えるべきこと」です。