顧客満足(CS)とは、顧客ニーズを把握し、お客様の立場に立ったサービスを提供し期待に応えていくこと。
そして顧客との関係を大切にし、販売・収益につながる活動を行っていくことです。
店舗経営者である限り、そこには収益性がなければならないでしょう。
短期の視点では、手間暇がかかる、直接業績数値に結びつきにくいなどのデメリットも指摘されるが、長期視点では、顧客満足度の高い店舗は収益性も高いのです。
これが、多くの店舗で、顧客満足度を経営指標の一つとして扱う理由です。
実施レベルの高い基本とイレギュラー対応力
顧客満足度の高い店舗にはリピーターが多い。
そしてその現場には、いくつか共通のルールがあります。
①基本の実施レベルが高く、それが徹底されている
②クレームを含むイレギュラー対応に強い
基本とは当たり前のこと、例えば、「お客様には笑顔で接する」「大きな声で挨拶をする」「売場は常に整理整頓されている」などなど、誰もが知っている常識とも言えることです。
これらのことができている店舗は、スタッフの教育や指示も徹底されていると思われ、お客様は気持ちの良い時間を過ごすことができます。
同時に、また来たいと思わせてくれます。
顧客満足度の高い店舗というと必ずや名前の挙がる店舗は、「感動するエピソード」ばかりでなく、この基本が高いレベルで徹底されています。
大阪梅田、東京六本木ミッドタウンにあるラグジュアリーホテルの代表格「リッツ・カールトンホテル」。
素晴らしいサービスが書籍や雑誌の記事に取り上げられ、各種サービスランキングなどで高い評価を得ています。
このリッツ・カールトンホテルの「ゴールドスタンダード」の中に「サービスの3ステップ」というものがあります。
1.あたたかい、心からのご挨拶を。お客様をお名前でお呼びします。
2.一人一人のお客様のニーズを先読みし、おこたえします。
3.感じのよいお見送りを。さようならのごあいさつは心をこめて。
お客様のお名前をそえます。
この3つのステップ、当たり前のことばかりであるが、どのような店舗でもヤル気になればできることです。ところで、「心からのご挨拶」とは、どんなものだろうか。
想像をしてみると…・。
身体と心を相手に向けること
・笑顔
・相手の顔を見て
・ながら挨拶ではなく、身体と心を相手に向け(手を止め、足を止め)
・明るい声のトーンで
まだまだ多くの形容がされるかもしれないが、まず考えられるとするとこのようなものです。
目の前の顧客が望みそうなことを先回りして行うためには、「見ていなくては先回りできない」。来店客のほうを見ないで作業に没頭しているような店舗では、顧客の望むことを先回りなどできない。
一人ひとりの意識が顧客に向いているからこそ、感動を生み、心遣いを感じさせるサービスや対応ができるのです。
多くの基本動作や基本オペレーションは、誰にでもできることで、一度覚えて習慣化すると、改善を加えようという意識は低くなりがちなものです。
そのレベルを、店舗として個人として高めていこうと努力できる「体質」があれば、イレギュラーに対する対応は必然的に顧客志向で実践できるわけです。
また、基本は「いつもいつも、毎日毎日行うこと」。
この日々の当たり前のアクションを「このお客様のためには、どうするのがよいのだろう?」「今、この時間、この状態では、何をすればよいのだろう?」と考え続け、ベストの状態を自分なりに作り出していたとします。
そんなスタッフの思考回路は完全な「顧客主義」になっているはず。
目の前を通りすぎる物言わぬ顧客にベストのものを提供しようと必死になっているスタッフ。
このスタッフに顧客が何かリクエストをすれば、当然、素晴らしい対応や答えが返ってくるのです。
常に「顧客のため」「顧客主義」が訓練されているからです。
つまり、日々のオペレーションの中で顧客志向を徹底させていくこと、目を向け心を向けることが、神話のようなエピソードを生み出すのです。
以上、顧客満足度の高い店舗の共通ルールとは?でした。