店によって顧客管理は異なる
顧客管理の手法は多様で、店の規模や販売している商品の内容や地域によって大きく異なります。
100店あれば100通りの手法があります。
一つの手法を学んで、それですべてが通用することはありません。
そこで、どの店にどんな管理が必要かを、ライフサイクルをもとに考えてみましょう。
なぜならマーケットの変化によって事業の活性化方法は変わり、当然、顧客管理の方法も変わってくるからです。
ライフサイクルから、顧客管理手法の要点を理解する
たとえばマーケット(商圏)の成長期には、顧客管理の必要性は乏しいものです。
ひとつの市場にまだ事業者が少なく、売り手市場であるのならば、顧客管理よりも前に、一般ユーザーへの告知のほうがより重要だからです。
他にも、各時期には次のような特徴があります。
①成熟期から展開期の顧客管理
自店がある地域で、マーケットの消費購買力に対し、小売店舗などの商業施設が適正規模を超え、需要よりも供給が過剰になっている状態、つまりマーケットの成長がひと段落ついてオーバーストア状態になる頃、顧客管理の命題は、より効率的に顧客に販売することになります。
それは、「より買ってくれそうなお客様に告知すること」です。
来店してくれたお客様の行動や趣向を見極めて、商品の告知手法や接客手法をお客様に合わせながら商品購入を促します。
また販売商品の特長を改めて学び、どんな客層に訴求すればいいのか? まだ出会っていない客層に対して絞って無駄なく誘導することも大切です。
②展開期から安定期の顧客管理
競合店が多くなってくると、自分が経営する店舗は個々のお客様にとってより有用であること、近しい存在であることをアピールしなくてはならない。
あらゆる形でお客様の要望に応える貢献度の高い店として、お客様の店選びの中心にいなくてはならないのです。
ここでは親身になった接客や購入後のアフターフォローを中心とした「顧客との関係性の強化」が重要となります。
③ 安定第3期以降の顧客管理
競合店が多くなって従来マーケットが縮小する中では、店はより細分化されたマーケットで独自性をアピールはじめなくてはなりません。
そのとき店は、お客様と独自の関係で結ばれようとします。
他にはない商品、マネのできないサービスで、お客様とのつながりを求めます。
セレクトショップであればライフスタイルを持ち出し共感を呼び、オリジナルブランドであれば他ではつくれない技術などでアピールします。