ダイレクトメール(以下DM)とは、見込み客などに送付することにより、店舗への来店や通版での購入を促すツールです。
そして、お客様からの反響をより多く獲得することを目的としたものであることは、よく知られています。
他の集客販促ツールと大きく違う点は、「個別対応できる販促ツール」であるということです。
DMとは個別対応できる販促ツールのこと
反響数を高めることだけを目的にするなら、集客や販促をテーマにしたツールや媒体がたくさんあります。DMが他のツールと比較してもっとも優れているのが、個別対応の実現性です。
個別対応とは、マーケテイングにおいて、もっとも基本的な考え方である「ワン・ツー・ワン・マーケテイング」(one to One Marketing)とほぼ同義のものです。
つまり、売り手が買い手であるお客様一人ひとりのニーズに合わせることで、結果として業績を向上させるためのマーケティング手法のことです。
そのワン・ツー・ワン・マーケテイングの対極に位置しているのが、ラジオやテレビ・新聞などを利用した「マス・マーケテイング」(Mass Marketing)です。
個別対応の実現は両刃の剣
DMが他のツールと比較して、最も優れているのが個別対応の実現性ですが、実はその個別対応を実現しようとすればするほど究極的には、買い手であるお客様一人ひとりのニーズに合わせたDMを作成することになります。
だから、1通当たりのDMを作成する人的コスト等が、必要以上にかかってしまうことで利益が出にくくなる可能性があります。
その結果、本当はできるだけ広い範囲にDMを送付したいのに、DM発行部数が制限されてしまうこともあります。
DMの最大の長所である「個別対応の実現性」を効率的に活かす方法は何か?
ワン・ツー・ワン・マーケティング的な考え方を、どのようなレベルで形にしていくべきか?
それらを理解することが、結果として反響数を大きく向上させることにつながっていくと思います。
DMの送付先が見込み客である場合
DMの送付先のすべてに対して、個別対応が可能なわけではありません。
まだ顧客登録されていない、いわゆる見込み客に対するDMの送付であれば、広範囲に送付することができます。
見込み客に対してDMを送付する目的は、その多くが新規顧客の獲得です。
新規顧客の獲得を目的とするようなDMについては、当然ながら個別対応は実現できません。
●新規顧客の獲得を目的とした場合のDMは、訴求内容の絞り込みから行う
新規顧客を獲得する場合には、通常さまざまな選択肢を示したほうが、見込み客からの反響率が高まりそうです。
しかし、見込み客がDMを手にした場合の閲覧時間は、既存顧客よりもかなり短いため、反響率は低いのが現実です。
選択肢が多くなることによって、読み手の必要閲覧時間が長くなってしまう。
そんなDMは嫌われてしまい、手に取ったとたんに読む気が失せてゴミ箱に直行です。
これが既存顧客であれば、興味をもってじっくりと隅々まで読んでくれます。
見込み客にじっくりと時間をかけて読んでもらうことは、かなり難しいのです。
見込み客を対象にしたDMは、表紙を読み手のニーズと合致させ、訴求内容のインパクトによって、DMの反響率を高めること。
既存顧客向けのDMは、送り主である店舗名が明確になっていることが重要です。
お客様に対して複数の選択肢を提示したいのなら、既存顧客に対するほうが閲覧時間も長く、効果があると思います。