店舗でがんばって働いているスタッフたちの働きに感謝しつつも、店長は常にスタッフの服装や外見、そしてお客様から受ける印象にも気を配っておかなければならない。
人の出会いは、第一印象で決まると言われます。
来店したお客様が最初に出会った店舗スタッフの第一印象が悪いと、どんなに店舗内が綺麗で魅力があっても、そのお店のファンにはなってくれません。
現代はネットの口コミで、悪い情報はすぐに拡散されてしまいます。
しかもLINEなど身近なネットワーク間で、悪い情報が広まるとスタッフ本人にとっても大変なので、できれば良い噂が広まって欲しいものです。
お客様に信頼されるスタッフになるためには、印象をどう見せればよいのでしょうか?
わからないことは、わからないと言える素直さが好まれる
接客が日常の仕事のひとつである店舗スタッフが、服装や外見に気を配るのは当然です。
しかしそれは、外見をただ繕うのとは、意味が違います。
なぜなら店舗スタッフは、自分を売り込むのが仕事ではありません。
だから、必要以上に自分を大きく見せようとしたり、知らないことを知っているかのように振る舞うのは厳禁です。
やる気あふれる若いスタッフほど、恥をかきたくないという思いから、つい知ったかぶりをしてしまいます。
こんな話があります。ある女性が三十代で中古マンションを買いました。
非常に大きな買い物なので、1年以上かけてさまざまな物件を見て回ったようです。
購入した物件を決定した理由は、立地とか物件という条件が良かったわけではありません。
物件を案内してくれた不動産業者との接客態度や、対応が良かったからといいます。
それもいくつかの不動産業者に物件を紹介してもらった際に、ほとんどの担当者はこちらからのリフォームに関する質問に対して、自分の曖昧な知識だけで答えていたため、後日専門家に問い合わせると「そんなことは立地的にできないはず」と言われたそうです。
いくら気持ちよく即答してくれても、答えてくれるほど不安になってきたそうです。
それに対して今回の物件を見つけてくれた不動産屋の担当者は、わからないことはわからないと答えたうえで何でもすぐに調べてくれたそうです。
「すみません。自信がないので、すぐに調べます。少しお時問いただけませんか」そして、一週間くらいかかるのかと思ったら、すぐに調べて翌日には連絡をくれることが多かったそうです。
物件を案内している際も一緒にメモをとりながら説明してくれるので、だんだんと彼女も建築に関する知識も増え、その業者の人になら何でも相談できるようになっていました。
この話は、不動産に限らず、保険のセールスでも、どんな業種でも、素直な接客ができる優秀なスタッフには次から次へとお客様を通じて紹介が入り、新規に営業しなくてもどんどん顧客が増えていくのです。
「素の自分」をきちんと伝えられる人が信用を生む
どんな業種でもそこに務める店舗スタッフには、取り扱っている商品についての専門的な知識が必要です。
しかし、「必ず答えなければならない」という変な義務感やプライドを持ってしまうと、わからないことをわからないと言えずに「わかる」と言ってしまった瞬間から、わかっていることが前提で仕事が動きます。
しかし、実際にはわかっていないのですから、その後の仕事は非常に危ういものとなり、接客についてもお客様の質問にちぐはぐで曖昧な回答をして技量を見抜かれて、必すほころびが出ます。
そうなるとお得意先やお客様は二度と、そのスタッフに接客をしてもらおうと思わず、避けるようになります。
誰でも仕事を始めた時期は、実力以上に自分を大きく見せようとしてしまいます。
特に若くして重要なポジションを任されてしまうと「なめられちゃますい」という気持ちから、プライドという鎧を身にまとっていまいます。
やる気のあふれる若いスタッフほど、実力は未熟なのに、天狗になってしまうのです。
しかしそんなプライドは、すぐにお客様にバレてしまいます。
どんな仕事でも、高い目標を持つときほど、いまの自分の力量をしっかりと見定める必要があるということを、店長は若いスタッフに気づかせてあげなければならないのです。
素の自分で勝負できる範囲を超えては、大怪我をすることを伝えてください。
以上「素の自分で接客してお客様から信頼される存在になろう」でした。