広告や販促や宣伝を企画するときの考え方にAIDMA(アイドマ)の法則というものがあります。
これは人が商品を認知して購入するまでの心理的な行動を表現した言葉の頭文字を集めた造語で、広告業界では数十年前から普遍的に意識されている概念です。
インターネットが普及してから若干その概念は変わってきていますが、基本的には同じです。
店舗経営でも商品の陳列や、接客中の会話にも活かせるものなのなので、活用していただきたいと思います。
消費者の購買行動・購買心理とは
広告業界で昔から使われているAIDMA(アイドマ)は、販売現場では非常にベーシックな考え方です。
AttentiOn(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、MeヨOry(記憶)、ActiOn(行動)の頭文字を取ったもので、アメリカのローランド・ホールが提唱した消費者の購買行動に関する法則です。
お客様が商品の存在を知り、購入するまでには大きく5つのステップを踏むというものです。
心理部分を更に8段階に分解することもあります。
・注意…商品に注目をする、発見をする
・興味…どんな商品だろうと興味・関心を持つ
・連想…その商品を使った楽しみ方を連想する
・欲望…連想がふくらんでくると欲しくなる
・比較…これもよいが他にはないだろうかと比較検討
・確信…購入したほうが良いと確信、信頼する
・決定…「これにしよう」と購入決定
・満足…良いものを買った、自分の購入に満足
注意や興味の段階は、視覚(POP、ディスプレイ)や気づきのための声かけによることが多い。
売場にある数多くの商品の中から、お客様の役に立つ商品(=おすすめ商品)に気づいてもらう、興味を持ってもらうための売場づくりや接客が必要です。
「視覚」と「聴覚」に働きかけることが必要です。
気づいていただけた、発見していただけた後は「知覚」(理性と感情)に大きく働きかけていきます。
商品を見る様子や態度、商品を発見してから経過した時間などから、どのような心理段階かを読み取り、次のステップにスピーディーに気持ちを変化させていくことが必要です。
連想以降で必要なことは、「使用シーンをイメージできる」ことです。
そして、使用している自分がハッピー=メリットがある状態、満足している状態が想像できることです。
自分なりの販売ストーリーを身につける
販売力のあるスタッフは、意識をしているか、無意識であるかは別にしても、購入へとステップアップするためのストーリーを身につけています。
その基本ストーリーにお客様一人ひとりのニーズを重ね合わせて、ピッタリな提案やセールストーク、クロージングを行っているのです。
・注意から興味
良さそうな商品であることを口で伝えるキャッチトーク。
「雑誌に掲載された」「本日入荷」「人気商品」など
・興味から連想
素材や製法、見た印象などの商品自体の特色を伝え、使用シーンをイメージしやすくします。
「明るいお色」「一つひとつ手作り」「シルクが入っていて」など。
・連想から欲望
使っているシーンや使い方、食品であれば味の特徴を一言で表現。
「夏のおでかけにピッタリ」 「とても温かい」 「軽くて使いやすい」など。
・欲望から比較
来店客の個別動機に訴えかける使用シーンをできるだけ具体的なイメージにします。
「お仕事の時には……、プライベートでは……」「お子様のお迎えの際には」「ご家族とご一緒に……」など。
・比較から確信
他の商品と比較しながら優位性を伝えます。
「見た目は同じに見えますが、素材が……」「あちらのほうが少し低価格ですが、こちらは……」「他のメーカーでもありそうですが、こちらは……」など
・確信から決定
「私のための商品だ」と自分にとって必要だ、この商品がないと困る、今ここで買わなければ、と思える言葉を伝えます。
「これで、こうなれます」「これがないと、こうなってしまいます」「今でしたら、こうなります」など。
・決定から満足
購入したことへの納得と自信を促す。その必要性や確実性、お客様の購入決定が失敗していないことを伝えます。
「良いものをお決めになりました」「長く使えます」など。
満足いただくために、最後に、安心をプレゼントします。
これまでの買い物に使った時間を含めて良い買い物をしたと、実感していただくために一言を添えるのです。
良い買い物、楽しい時間、嬉しい体験をしたお客様は、「またあの店に行こう」と思ってくださるのです。
だからスタッフにこれらの購入までの流れのストーリーを持たせてあげて欲しい。
この流れを意識して接客すれば、売上げは増加するかもしれません。
以上、販売、店舗経営が向上する企画の秘密と8段階の購買心理とは?でした。