日常でなじみのない商品に出合うと、「これは何に使うのだろう?」「どんなふうに使うのだろう?」「どんな味がするのだろう?」「どうやって食べるのだろう?」など、様々な疑問が湧いてきます。
傍に店員がいれば直接聞けますが、近くに店員が誰もいない場合や聞ける雰囲気でない場合は、「興味はあるけど、その場を離れる」ということが起きます。
ある商品を売りたいのであれば、実際に使っているイメージを伝える訴求をしていくことです。これを「使用価値訴求」といいます。
「使用価値訴求」は、品質イメージを高めるのに効果的な方法のひとつです。
100個の言葉よりも1回のお試しが販促に効果的
スーパーの試食コーナー、カーディーラーの試乗車などは、実際に商品を試させることで購入させようという販売促進施策です。
「100個の言葉よりも一回のお試し」と言われるほど、商品を試させることはお客様に購買動機を与える効果があります。
また、自動車のTVCMでも、この「使用価値訴求」で商品価値を伝えようとしているものが多い。
たとえば、ワゴン車のTVCMは、カッコイイお父さんと美人のお母さん、そして元気で、頭もよさそうな男の子と女の子が、どこか自然の美しい山や海に出かけ、家族で休日を楽しむという内容が多い。
車の性能を伝えようなどとはしていない。
この車を買うと、休日は家族みんなが楽しく過ごせるというイメージを伝えているだけです。
このことはチラシにも言えます。とくに、住宅や車などの高額商品では、「使用価値訴求法」は効果的なのです。
「使用価値訴求」の住宅会社見学会チラシ事例
注文戸建て住宅の場合、価格帯は三つあります。
低価格帯の1500万円ゾーン、中価格帯の2000万円ゾ—ン、高価格帯の3000万円ゾーンです。
2000万円以上の住宅で見学会チラシを配布する場合、その建物を紹介するだけのチラシでは、集客は見込めません。
「その住宅でどんな生活ができるのか」が、イメージできないと集客できないのです。
<生活シーンをイメージさせる施策>
集客するためにはまずは完成した建物に、まるで生活をしているかのよぅにダイニングテーブルやソファ、家具、食器類、ベッドなどを配置します。
まるでそこに誰かが生活しているかのように配置された室内を写真に撮り、チラシに掲載するのです。
もし、生活感を感じないチラシを配布すると、集客が減るだけでなく、せっかく来てくれたお客様も、具体的な生活がィメージできないため、短時間で帰ってしまうことが多くなります。
これでは契約にもつながらないでしょう。
<より鮮明に生活イメージを伝える方法>
購入してほしいターゲット層を想定した人物を登場させて、体験レポートを紹介するという手法があります。
チラシを見る人と同じ視線で建物の紹介ができるようになるため、商品価値が伝わりやすくなります。
また、体験レポートは会話調となっているので、女性にとっても、雑誌などで読みなれた文体であるため、漫画のように読みやすくする効果があります。
この手法は、小売業やサービス業の店に集客をするときにも使えます。
チラシに人物を登場させて、その人物が店や商品の紹介をしていくのです。
店の特徴や他の店にはないことを、この手法で具体的に伝えていきます。より具体的に伝わるほど、興味のある人は行きたくなるものです。