売り場には常時、有線放送で音楽が流されています。しかしタイムセールがはじまったり、お客様の動きが鈍い時などは、買い物を誘発させるような店内放送が流れます。
お店の中を見て歩いているお客様の頭のなかは、かなり視野が絞られているか、何を買えばいいのか迷っている状態です。
そこへきちんとお客様に届くような店内放送を流せば、売上アップに貢献できることは間違いありません。
売場の今を「実況中継」する効果的な方法
「ハイ、あと先着30名様限りで-す」
「先ほどのお客様がこれだけお買いあげ〜!」
「急いで、急いで、お一人様、3個まで〜」
「〇〇〇完売!」
「〇〇〇、あと残りわずか!」
「〇〇〇は、ここにあるだけー!」
「売れ切れたら、なかなか手に入らないよー」
「本日も、そろそろ、閉店だよ-。急いで急いで」
「あと、30分で終了!」
「〇〇〇、完売目前!」
「〇〇〇ご購入! ありがとうございました!」
「これは季節限定だからねえ〜」
「ただいまから、○○をはじめま〜す」
このように、売場の状況を、リアルタイムに実況中継すると、店内に活気が出ます。活気のなかった店内に緊張感が醸し出され、お客様の購入にも弾みがつきます。
ですから、店内に活気がないな〜と思ったら、メガホン持って、実況中継してみましょう。店内放送の設備があるなら、それを使用してもよいでしょう。
タイムセールの呼び込みをすれば、すぐに人が集まります。また、売れ行きが芳しくない売り場があれば、機転を利かせてそのエリアの商品の特長や必要性を短く強くアピールしてみましょう。
全く生活に必要性の無いものはアピールが難しいですが、日常生活の必需品や、少しだけ便利になる商品であれば反応がいいのではないでしょうか。
実況中継型のライブ・卜―クを展開、ナレーションで売る!なんて、まるでライブハウスのDJのようじゃありませんか。
ただしこれを、お正月の「初売りセール」なんかでやると、とんでもないことになるかもしれません。よくニュースでも放送ますが、そんなときはお客様が、商品の奪い合いになって、売場が大混乱。どちらかと言うと、お客様の熱気を抑えるような、落ち着いてもらうような実況をしなければいけません。
店内放送にもお客様の購買意欲を喚起させる技がある
ピンポンバン、ポ〜ン。店内放送の設備がある売場では、販売員自らが店内放送をかけるというケースもあることでしょう。
そこで、効果的なアナウンスの仕方をお教えします。実に簡単です。
一番、魅力的な話題は、一番最後に伝えること。
たとえば、「秋の特売セール」の紹介で、「本日も、○○百貨店にご来店いただきまして、まことにありがとうございます。ご来店のお客様に、催し物のご案内です。只今、3階特設会場におきまして、恒例、秋の特売セールを実施しております。商品の一例を申し上げますと、〇〇〇は3980円、〇〇〇は2980円、〇〇〇は1980円、〇〇〇は300円でのご奉仕。さらに、本日お買い上げのお客様には、〇〇〇を進呈中。みなさま、お誘い合わせの上、お越し下さいませ」
と、こんな具合に商品の値段は、高いモノから順に安いモノへ。つまり、目玉商品は最後に伝えることが効果的です。
景品やプレゼントが付く場合は、その話題を最後に伝えてみましょう。
お客様を「売り場に行ってみよう!」という気にさせたければ、魅力のある情報を最後の最後に伝えましょう。なぜならば、最初に聞いた内容はその瞬間から頭から離れていきます。だから最後に伝える情報が一番お客様の記憶に残りやすいのです。
これを実践すれば集客力アップに期待できるのではないでしょうか。
さらに、店内のお客様の歩調がゆったりしている時。たとえば休日、家族連れの多い日といった場合は、リズミカルに、テンポよくアナウンスしてみましょう。
逆に、お客様の歩調が早い時。平日、単身のお客様が多い日といった場合には、ゆっくりとアナウンスしてみましょう。まるで、お客様の歩調に逆らうように、アナウンスしましょう。
そうすると不思議と店内放送が目立つようになります。お客様の耳にとまりやすくなるのです。
店内放送は、お客様に伝わらなくては意味がありません。そのためにゆっくり、「間」を上手に使うことです。
そして発声の基本となるのが腹式呼吸です。腹式呼吸は声帯を鳴らすのに必要最低限の息で効率よく声を出すことができ、のどに負担をかけずに長時間安定した声を出すことができるそうです。おへそから5センチほど下の丹田に力を入れると声がでるとよく言われます。百貨店や商業施設、スーパーなどお店によってアナウンスの特徴やレベルも違いますが、大切なことはお客様に伝えることです。
以上、「お客様に伝わりやすく、購買意欲を刺激する店内放送の方法」でした。