店長や店舗経営者が知るべき利益の構造とは?

お店を経営しているなら、常に損益計算をしながら帳簿をつける日々を過ごしていると思います。

しかし開業して間もないなら、つい営業利益、売上の総額だけに目がいってしまいがちです。

でも単に「利益」と言っても、その意味を知っておかないと経営戦略を立てるにも無駄なことをしてしまいそうです。

損益計算書には大きく「5つの利益」に分類されています。

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損益計算書の「5つの利益」とは?

損益計算書は、段階ごとに「5つの利益」からなっています。まず、この5つの利益について確認しましょう。

①粗利益(売上総利益)

「粗利益=売上高-売上原価」。

売上から原価を引いて残った大雑把な利益。

これが一般的な「粗利益」の説明です。

店長はこの「引き算」の発想に加えて、「足し算」の発想を持つことが必要となります。

どういうことかというと「売上高=売上原価+粗利益」であるという発想である(この時の「粗利益」を「付加価値生産高」という)。

例えば、コンビニエンスストアでは、「200円」で販売しているビールがあった時、大衆居酒屋で飲めば「400円〜」、ちょっとお酒落なお店で飲めば「800円〜」となります。

多くのお客様は、この価格に違和感はないと思います。

なぜならばそれぞれの「差額」の分だけ、サービスを受けていると納得しているからです。

このサービスにあたる価格が「付加価値」と呼ばれているものです。

今は消費者の財布の紐が固くて、どちらかというと「低価格志向」の時流が当面続くと予測されています。

お客様にその「粗利益」分の「付加価値」を認めてもらえるようなサービスや、売り方をしなければ売上につながらないのです。

だから、「粗利益高」の数値が高ければ、それだけお店の「付加価値」がお客様に認められているということになります。

「売上はお客様の支持の量、粗利益はお店の実力」です。

②営業利益

「粗利益」-(人件費、地代家賃、水道光熱費、販売促進費などの「販売費及び一般管理費(以下、販管費と表記)」、つまり営業活動に必要な経費)=「営業利益」。

例えば、

<接客応対等の人的サービス力で、付加価値を高める場合→優秀な人材の採用費や人件費、教育費が必要>

<ハード面(設備、インテリア等)で、付加価値を高める場合→店舗費等が必要>

「付加価値」を高めようとすると「販管費」は増加し、「営業利益」を減少させてしまう。逆に採算を度外視すれば、付加価値を高めることは、簡単にできます。

だから店長が、「ヒト・モノ・カネ」等の限られた経営資源を、効果的・効率的に運用して、「粗利益=付加価値」を生み出したかの結果が「営業利益」という数値となって現れます。

粗利益の数値は、最高責任者である店長に対して、最も重要な指標となります。

③税引前当期純利益

<「経常利益」-「特別損失(=経常的に発生しない損失)」>+「特別利益(=資産の売却等の経常的に発生しない臨時の利益)」=「税引前当期純利益」。

④経常利益

<「営業利益」-支払利息等の「営業外費用(=本業以外で発生する費用)」>+受取利息等の「営業外利益(=本業以外で発生する利益)」=「経常利益」。

便宜上、「リベート(=販売や仕入に対する報奨金)」を、営業利益計算に含める場合もあるが、リベートを受け取った時は「営業外利益」、支払った時は「営業外費用」とするのが、正式な会計処理のルールであることは押さえておくとよい。

⑤当期純利益

「税引前当期純利益」-法人税の税額=「当期純利益」。

しかし、この利益額が全て「会社の蓄え」として自由になるわけではありません。

そこから「借入金の元本返済」を引いた額が、会社の蓄えとして残るのです。

日常の店長業務の中では、しっかり「営業利益」までの管理を行っていれば充分ですが、店舗経営者の視点として、会社全体の「最終利益」にも関心を持つことは必要です。

以上、「店長や店舗経営者が知るべき利益の構造とは?」でした。

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