困難な状況に追い込まれた店長の覚悟

「こんなことになるなんて思ってもいなかった・・・」と予想外の大きな出来事に直面することは、店舗経営を長くすればするほど何度か経験するものです。

ただそのときになって狼狽えてしまうと、一緒に働いているスタッフや取引先に不安を与えてしまい業績が悪化して閉店に追い込まれる可能性が高くなります。

店長はどんな最悪なことが起きても、店を経営破綻させないように信念と覚悟をもって働くことが必要です。

困難な状況に追い込まれた店長の覚悟
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理想を高く持って店が潰れることはないという信念を持つ

経営する店舗が世の中に存在する価値があり、店長自身も、店舗のため社会のために良いことをしているのだという信念を持つこと。

なぜなら経営に困難はつきものであり、信念のない店長はこれに負けて、営業計画を遂行する気力を失って失敗します。

また、店舗がいくら利益をあげていても、自分の事業に意義を見出し、やりがいのあるものだとの信念を持っていない店長は、偶然から起きる経営危機のショックで経営意欲をまったく失ってしまう危険があります。

たとえば、無添加無農薬の自然食品店を経営する店長が「私は日本人の円満な暮らしと健康に貢献している」と自負しているときはよいが、「私の売る自然食品がいつか手に入らなくなって店を閉めなければならない」などと思いはじめたらおしまいです。

店長の経営する店舗は地域に必要な店舗であり、潰れるはずがない、という信念が湧き出してきたなら、自信を持って積極策に出ることができるはず。理想と現実との食い違いを克服するものは信念です。計画と眼前の事実との間には往々大きな隙間のできることがありますが、自信があれば埋められます。

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店長自身が最大の被害者になる覚悟がなければならない

店舗の最高経営責任者でもある店長は、万一の場合には最大の被害者となる覚悟を持つこと。

また店舗スタッフも店長がその店舗の経営よって生活し、店舗と運命をともにする覚悟で奮闘している姿を見ていれば、自分の仕事に全力を傾倒できます。しかし店長が他に生活の手段を持っていて、経営する今の店舗が危なくなったら店舗を捨てて転進しようとしていることが見えてしまっていては、スタッフも仕事に腰がすわらない。

まずその統率力に大きく影響します。店長が常にスタッフと行動をともにする必要はないけど、形にあらわれるところはもちろん、心のもち方についても、全然局外者になってしまい、高みの見物をしていたのでは、いかに命令し、いかに励ましても、「店長がまた何か言い出したぞ。とりあえず聞くふりだけしとけば大丈夫」ぐらいにしか伝わりません。

店長はスタッフの雰囲気を直接自分の皮膚で吸収することを怠ってはならない。見るべきところはきっちりと見ていることが大切です。そして、忘れてはならないことは、店長自身が常にスタッフから見られているということです。

店長は最高に苦しい状況でこそ陽気であれ

人の集まっている席にその人が入ってくると、ちょうど太陽が差し込んだように席が明るく賑やかになる場合と、反対に急に座が暗くなってシューンとしてしまう場合とあります。

陽気を発散する人と陰気を発散する人との差によって起きる現象ですが、店長ならば前者であるべきです。

また、特別に頭がキレて仕事ができるというほどの人ではないが、あの店長がいてくれるだけで、なんとなくみんなが働きやすいといわれる人は最高の統率者です。

近くに居ても邪魔にならず、居るだけでみんなが元気に働いてくれるような店長であることです。

店長の人柄次第で、困難な状況もスタッフ一丸となって乗り越えられる可能性が高くなっていきます。

以上、「困難な状況に追い込まれた店長の覚悟」でした。

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