ファーストフード店のマニュアル通りの接客に、苛立ちを覚えたことは誰も一度はあるのではないでしょうか?
でもそれはファーストフード店に限ったことではありません。
例えば高度なサービスを売りにしている店舗でも、マニュアル頼みのような接客が行われることがあります。
これが逆にお客様を不快にさせるのです。
良かれと思っていることが、お客様を苛立たせる原因になる
サービス業の現場では、高度なサービスをしているつもりが、お客様の気分を害しているケースがよくあります。
もちろん自分たちは良かれと思っているのですが、なんとなくお客様の気持ちを逆なでするような振る舞いをしてしまうのです。
そういった間違いのほとんどは、マニュアルに頼らない心からの素直なサービスでは起こりません。
どちらかというと、「よりお客様に満足していただくために」と、その店舗で取り決めたマニュアル頼みのサービスをしていると、悪い意味の勘違いが起こりやすい。
本当に高度なサービスとは、自然体で提供されるものであり、お客様にはそのサービスが「特別なもの」とは気付かないぐらいのものです。
しかし自分たちの作ったサービスルールを押し付けると、お客様を不愉快にさせることがあるというごとに気づかなくてはなりません。
もちろんそのルールを作るには、店長やスタッフが会議を繰り返しながら、様々なことを検討して練り上げたものだと思います。
でも、関係者だけで作ると、どうしても自分たちの有利に働くルールになり、お客様の気持が置き去りになっているものです。
お客様に恥をかかせるようなルールは、自己判断で無視する
例えば、ホテルの飲食店や高級レストランでは、会計は席でするのが普通です。
でも、複数人で来店している場合は、1人のお客様が気を利かせて、こっそり支払いを済ませようということがあります。
その場合、会計は席で、と取り決めたことにこだわり過ぎると、逆にそのお客様に恥をかかせてしまうかもしれません。
特に女性を連れている男性客や、地方から出てきたご年配のお客様は、相手をもてなすつもりでこっそり支払いを済ませようと思っているはずだから、そこを察してあげるのが店員の心遣いというものです。
「お客様に、少しでも快適に過ごしていただけるように」と考えて作ったルールだと思いますが、お客様に恥をかかせたり、嫌な気分にさせていたら接客としては失敗です。
専門知識が豊富な自分に酔って、接客していませんか?
少し前にニュースなどで報道され、社会問題になりましたが、パソコンショップなどでも、あまり知識がないと思われるお客様に対して朗々と専門知識を述べている店員がいます。
機能的なことや技術的な内容説明を求めているお客様に対しては、いくらでも深く説明すればいいと思います。
しかし、初心者のお客様は、店員の話す内容がほとんど理解できずに、放心状態になってしまいます。
その態度こそ、お客様を置き去りにしているのと同じです。
また、パソコンの知識があまり無いお客様が、的はずれな質問をしてきたり、要望を伝えてきた時に、店員が「お客様、それは・・・」と、まるでお客様を諭すような話し方をしていないでしょうか。
知識があまり無い客だとわかって、お客様を馬鹿にしたような話し方になっていないでしょうか。
店員が専門的な商品知識を豊富に持っていることは、とても大切なことです。
しかし、自分が知っているから、お客様も当然知っていると思っていたら大間違いです。
それこそ、お客様の立場に立って接客ができていないということです。
店員として接客のブロになればまるほど、気を引き締めて自分自身の立ち振舞や考え方を時々チェックする姿勢が必要です。
以上「お客様を怒らせる原因になるマニュアル頼みの接客とは?」でした。