本来有料である物が無料で付いてくる。
もちろん条件付きだけど、ショップを訪問するお客様にとっては、ちょっとしたサプライズです。
ネットショップの場合、無料サンプルの提供の際、メールアドレスや顧客属性のデータの情報(男女や年齢など)を集めることで、「今後、商品情報のお知らせを受け取る」としたお客様に対して、販促メールを送るなど、以降の商品の販促につなげることができます。
付属品を無料にする
付随品を無料にすることで、ライバルとの差別化を図る手法はもはや常套手段です。
多くのネットショップでは、「付随品の価値を上げる」「付随品に限定感を付ける」など、工夫を凝らすようになってきています。
商品の値段を下げるよりも「プラスアルファ」を加えることで、購買意欲を促進する戦術です。
付随品は商品だけではなく、クーポンといった引き換え券であたり、30日間サポート無料などの特典といったサービスであったり、いろいろと考えられます。
送料は無料が当たり前?
付随品を無料で提供するネットショップの場合、商品をお客様に送るための送料は無料にするか、しないかという問題が出てきます。
ネットショップは競争が激化しているので、サイトにお客様を集めるには、多額の販促費用や広告費がかかります。
また、売上が月商1,000万円を超えたあたりから間接費や人件費などが増えて利益を確保しづらくなっていくものです。
そのようななかで、送料を負担すれば、さらに利益が圧迫されることになります。
しかしその状況を理解したうえで、お客様は「送料のかかるネットショップを敬遠する」傾向にあるので「送料は無料が当たり前」という考えで対応すべきです。
サービスは無料にしてはいけない
実体があり大量生産ができる商品なら無料にできますが、オーダーメイド商品や、調査会社のサービス、カウンセリングや相談、コンサルティングなどは無料にしてはいけません。
なぜなら原価の99%は人件費が占めているからです。
人件費だから原価はあって無いようなものだからと考えているなら、必ず商売は失敗します。
人件費こそ最も高価な原価であることを知るべきです。
働いたら働いただけの価値をお金に換えるのは、商売の基本原則です。
ましてや1人1人に個別対応しているサービスならなおさらです。
もしも「30分無料相談」を掲げる調査会社や弁護士事務所があるなら、その30分の対価をどこで還元しているのかを考えること。そこに集客のノウハウがある可能性が高い。
無料特典によって購買意欲を刺激すること
価格競争が激しくなるなか、無料特典を付けることで、売上を伸ばしているネットショップがあります。
それはAmazonです。
最初は本を売ることからはじめ、現在は健康食品やファッショングッズ、家電などあらゆるものを販売しています。
その中でもメインの商品である書籍は、送料無料です。
Amazonのように大手なら送料無料という特典も付けることができますが、小さなネットショップでは難しいこともあります。
そんな時は送料に変わる無料の特典を付けて、メインの商品を定価で販売する手法をとるといい。
例えば教材やテキスト、DVDなど、最初は時間がかかるかもしれませんが、-度作れば何度でも印刷できます。
またデジタルで配布する場合、無料で配布できます。
通常こうした特典は「お金を払って購入するもの」と思われているので、これらをもらえれば相当得した気分になることは、間違いないでしょう。
これからのネットビジネスで活用できる無料モデルの考え方
①お客様の購買意欲を促進する無料モデル
お客様の購買意欲を高める商品やサービスが向いています。「ついで買い」を促す戦略です。
②3者(社)の間で形成する無料モデル
テレビやラジオ、最近では無料の情報サイトがこれに当たります。
インターネットが生まれる前から存在している無料モデルです。
③一部の有料会員がその他大勢の無料会員を支えるモデル
ベンチャー・キャピタリストのフレッド・ウィルソン氏讃’が提唱する「フリーミアム」というビジネスモデルです。
簡単に言えば、多くのユーザーには無料版を提供し、一部のコアユーザーには有料版(年間3,000円など)を提供する手法です。一般的に5%の有料会員が、そのほかの無料会員を支えている(5%ルール)とも言われています。
④貨幣が存在しない無料モデル
WikipediaやYahoo!知恵袋、OKWaveなどのお悩み相談系サイト、ソーシャルニュースサイトなどが挙げられます。
すべてはユーザーの善意によって運営されており、そこには何も費用がかかっていません。
デジタルコンテンツは無料か? 有料か?
形の無い物であるデジタルコンテンツは有料で配信すべきか、あるいはユーザーに無料で提供して他に収益源を求めるべきなのか。
ネットショップの中には、デジタルコンテンツを商品として販売しているところもあります。
モノの世界では、すべての製品には何らかの価値があり、それに見合った価格がついている、つまり価穏と価格とが一対ーに対応すると考えられてきました。
しかし、デジタルコンテンツでは、価値あるコンテンツを提供しながらも、顧客から金を取らない場合が多くみられます。
ゲームコンテンツによく見られる広告収入を得るケースはその好例です。
あるいは、当初は無料サーピスを行い、十分に集客した後に有料化に踏み出す場合もあります。
つまり、提供している価値と消費者から得ている価格とに、対応関係がないのです。
また、デジタルコンテγツという新しい商品の場合、価値と価格とのバランス、つまり値頃感というものも確立していない。
100円の清諒飲料水の自動販売機があれば、定価の約2割引だと皆が認識してくれます。
しかし、デジタルコンテンツに付けられた価格が高いのか安いのか、だれも判断できないのです。
無料コンテンツが流通している今日の状況を見て、インターネットで手に入るものは無料であるという認識、つまり「無料への慣れが消費者に広まってしまっています。
当たり前のように価格をつけることができない状況において、収益をどうやって得るかという「収益モデル」の考え方が急務となります。
デジタルコンテンツ業界では、どの業界よりも収益モデルが多様化しています。
サイトを広告メディアと位置づけて広告収入を目的とする企業と、商品質のコンテンツを提供してユーザー課金を目指す企業とでは、相当に温度差があるでしょう。
物販ならばどの企業でも、商品を顧客に有料販売するというスタジスを共通してもっていましたが、デジタルコンテンツではそうした共通認識ないので現在ではある程度受け容れられているとは言っても、まだまだ難しい課題があります。