2009年以後、それまでの間売れていたネットショップの売上の伸びが鈍化するようになりました。
しかし、経済産業省の統計を見るとネット販売B2Cそのものは伸びています。
考えられる理由は大手量販店がネット販売に参入してきて、その信用力を背景に、インターネットでの売上を伸ばしていることです。
今では通販大手の楽天に限らず、大手スーパーや量販店などもネット販売に力を入れていますし、消費者もインターネットで物を購入することに抵抗があまりなくなってきました。
これまで素人の手作り感覚的なホームページで販売してきた中小店舗や専門店のホームページは、華やかな大手量販店のホームページと比べて見劣りするようになってきています。
また、送料の無料化やサービス合戦についていけなくなってきている店舗も多くなっています。
特に送料に関しては、消費者が一番敏感に反応するポイントなので、同じ商品を扱っているなら売上げの違いがはっきりとでてしまいます。
しかし、大店舗は情け容赦なく、資本を投入して消費者にとってより魅力的な商品やサービスをネット市場で販売してきています。
アベノミクス効果で日本の景気が上向きになってきたとはいえ、リアル店舗の売上げは安心できるものではありません。
その点、ネットショッピングであれば、まだ気楽に欲しいものを購入してくれる可能性があります。
このチャンスを逃さずに専門店はより専門性をアピールしたり、中小店舗の古いサイトは、ユーザビリティを検証したり、コンテンツを増やすなどして、消費者が望むようなホームページを作り直す必要があります。
ネットでの店舗経営環境の変化を常に意識しておく
①検索エンジンの普及によって、情報収集が簡単になり、親争が高まってきている
大手資本によるネット販売の新規参入組は、Yahoo!検索やGoogleなどの検索エンジン対策を行い、自社のホームページのPRに成功していた中小店舗を参考にして、より洗練されたホームページを作成し、魅力的な商品やサービスを開発し、新規参入するようになりました。
そのためそれまで先行していたネットショッピングサイトが、相対的に見て見劣りするようになり、売上を減らしています。
②消費者は競合他社との価格やサービス内容の比較を、徹底して行う傾向になってきている
新規参入してきた店舗の商品やサービスと、以前からインターネットで商品/サービスを販売している店舗の商品やサービスを比較すると、新規参入店舗のほうが魅力的に見えてしまい、そちらのほうを支持するようになってきています。
従来からの古いスタイルでビジネスを行ってきているホームページは、奢りや油断があることがよく見受けられ、古い手法をただ毎年繰り返している体質が目立ちます。
そのような方針では、常に厳しい目を持つ消費者に支持されません。
③消費者は不景気になったので購入価格を見直し、より厳しい目で他社との価格を比較するようになった
政治の世界では事業仕分けが行われるようになり、多くのタブーにもコスト削減というメスが入れられるようになりました。
店舗の世界でも、少しでもコストを削減しようとする機運が高まり、より安い業者から商品やサービスを購入することが当たり前のことになってきています。
そのような中、既存の古い体質の中小店舗は、先手を打って価格を下げようとするよりも、これまでの価格を守ろうとする受け身の姿勢が目立ちます。
結果として、新規参入店舗にとってのチャンスとなり、先行する店舗よりも低価格戦略で市場に参入する傾向があります。
④大手店舗が本格的にネットビジネスに参入し始めている
これまでインターネットでの販売にあまり力を入れていなかった大店舗は、成長余地の大きなネット販売市場に巨大な資本と人員を投入し、急速にインターネットでの販売額を増やすようになってきました。
このことは、市場のパイが限られる国内市場において、それまで先行していた中小店舗の売上の縮小を意味します。
⑤海外店舗が参入し始めている
米国だけでなく、成長する中国店舗、ヨーロッパのインターネット店舗が日本市場に参入するようになりました。
特にアパレルやソフトウェア産業、Amazonなどに代表される巨大ECホームページは、世界市場を相手にしているため、大幅なコスト削減が可能になり、その競争力のある価格と品質によって中小店舗の売上を奪いつつあります。このグローバル化の動きは加速する一方でしょう。
中小店舗のネットショッピングサイトは、より専門性を高めることで売上げを伸ばす
大手のネットショップにはその品数や価格で勝負できる体力がありますが、そこに戦いを挑んでも負けてしまいます。
それよりも忘れてはいけない大切な事があります。
それは消費者はつねに「専門家」を求めていることです。
特にインターネットでは、何か気になる物や欲しい物があるときに、それに関連したキーワードで検索をします。
もし目的の商品についての情報が豊富なページであれば、検索結果にも上位表示がされやすく、同時に消費者が訪問してきてくれる確率が高まります。
そして、ネット通販で消費者が不安に感じるアフターケアや、相談などを親身に行えば信頼関係ができるので、大手より価格が多少高くてもこの店舗で買おうということになりやすいものです。
商品数が少なくても、その商品に愛着を持って、消費者が知りたいこと以上の情報を提供してあげるように運営すれば活路を見いだすことができると思います。
以上、公開時期の長いネットショッブの売上が、鈍化しているって本当?でした。