日々忙しい店長の業務ですが、人手不足で目先の作業に追われると大事なことを後回しにしてしまいがちです。
それは日々の売上と利益の目標に向かって、何をするのか?どこを改善すべきなのかを、現場の現状や店舗環境を検証しながら戦略を企画して、実行することです。
ある商品やメニューが今日売れていても、来週はどうなるかわかりません。
1人の店舗スタッフがトップの売上を上げていたら、そのスタッフが休んだり退職してしまったら、売上がどうなるのか?
もし○○になったら時、どうする?という予測と、どうなるのか?という仮説を24時間ずっと頭の片隅に置きながら生活を営むのが店長なのです。
仮説の重要性
店長が行う最も重要な役割は「売上目標の達成」「利益目標の達成」です。
そのためにどのような販売戦略、戦術を立て、どう実行していくかが店長業務のポイントです。
フランチャイズ店やチェーン店の場合は、数値目標は運営会社から与えられる場合が多いが、どのように達成するかは、店長の裁量で決められます。
組織の中に居る店長は、自分の頭で考えず、上司から言われたことをそのままやっている店長もなかにはいますが、それでは本当の店長とは言えません。
雇われ店長でも、独立した小売店の店長でも「いかにして目標を達成できる仮説を立てられるか」が店長に求められる最も重要な能力なのです。
もしも…どうなる…どうする…様々な角度で現状を見て、仮説を考え抜く
小売業、飲食業などの営業会議では、営業計画の打ち合わせの話が中心になります。
各店長から次月、どういう営業計画を考えているかを発表されますが、これは間違いなく目標を達成すると感じる計画と、これでは難しいのではないかと感じる計画があります。
店長は、間違いなく達成できると、自分自身はもちろんのこと、社長や部長が聞いていても目標達成がイメージ化できるような営業計画を立てる必要があります。
そのためには、徹底して目標達成の仮説を考え抜く姿勢が求められます。
現状の日本の消費環境は、思いつきの仮説で目標が達成できるほど甘くありません。
自店の状況把握はもちろんのこと、顧客の要望、競合の動きなど的確な現状把握をし、時流の変化などの与件も考慮した上で、「何を重点に売るのか」「どのように提案すれば買っていただけるのか」の仮説を、様々な角度から考え抜いて計画を立てることが必要です。
今の時代は、ただ単に思いついたことを、がむしゃらな努力で実行するだけでは成果が出せません。
時流に合った商品計画、顧客の心を動かす販促仕掛け、信頼できる接客応対や販売姿勢の見直しなど、全てが揃わないと目標達成はできない時代であることを自覚して欲しい。
具体的な実行計画を作成して、実行と検証を繰り返すこと
現実的に有効な仮説、目標達成のイメージができる仮説が構築できると計画の80%は完成です。
あとは、「いつまでに(When)」「誰が(Who)」「何を(What)」「どれだけ(Howmany)」「どのように(How)」実行するかを決めれば、計画は完成します。
計画は、ぼんやりとした夢計画ではなくて、具体的に実行可能な計画になっていないと目標達成は難しい。
いつまでに実行するかの日時を具体的に決定し、四半期計画、月間計画、週間計画に落とし込んでいきます。
計画ができれば、あとは実行あるのみです。
PDCAサイクルに乗せて成果を出せるまで、実行し続けることです。
※PDCAサイクルとはPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)を繰り返すこと。
覚悟してほしいことは、計画を実行したからといって、簡単に成果が出せる時代ではありません。
仮説→実行→検証をやり続けることで、だんだんと目標に近づけていきます。
はじめて実施したイベントがうまくいかなくても、一度で諦めていては進歩しない。
検証を行い、なぜ十分成果が出なかったのか、その原因をつかまないと同じ失敗を何度もしてしまう。
周りの店舗がやっていることに惑わされること無く、自分の仮説を信じて粘り強く、焦らずにじっくりと取り組んで欲しい。
以上「店長は売上目標を達成できる計画を作るのも仕事」でした。