スタッフの給料を決め、育成に欠かせない評価制度。しかし、何をどのように評価し、それを反映させていくのかを、適時内容を見なおして更新していく必要があります。定期的な昇給だけでは、計ることができない個人の能力や成果があるということを知っていますか?
評価項目が無いという理由で、これを見過ごしているとスタッフの中に不満が蓄積されて、最悪の場合は退職者が続出なんてことになるかもしれません。
だから既存の評価制度とは別に、スタッフの成果を短期間の取り組みを含めて認めたり、評価制度ではカバーできない本人の頑張りを認めるためのインセンティブ制度を導入すると良いでしょう。
インセンティブには「奨励」や「刺激」という意味があります。
スタッフの行動や成果を奨励し、社員に刺激を与えることで、やる気を喚起するのです。
店舗内チームで目標達成し成果を分かち合う
例えば、ある店では日別の売上目標を設定しているが、その売上目標を達成した日は、その日出勤している正社員、パート社員、アルバイト店員の全員に一人100円のインセンティブを出しています。
この店では当初、1ケ月単位で売上目標をクリアすると、月末に一人2000円のインセンティブを出すようにしていました。しかし1ケ月単位だと、月の途中で緊張感が持続できなくなったり、月末近くになって今月は売上目標を達成できそうにないとスタッフが感じると、達成を諦めてしまうことがあり、1ケ月単位を1日単位に変更した経緯があります。1日単位にしたところ、俄然皆やる気になったということです。
1日単位だと、今日出勤しているスタッフで達成しようという仲間意識も強くなるし、日々結果を意識することができます。
更に達成感を何回も味わうことができるのもいいのです。
また別の店では、その日の売上目標を達成するとその日出勤しているスタッフにそれぞれ2ポイント、レジの誤差金がゼロだと、その日レジに携わった人に1ポイントなど、いくつかの項目とポイントを設定し、各自300ポイント貯まると、店の商品券と引き換えることをしています。
毎日出勤して目標を達成すると、自分のポイントが増えていくことに楽しみを感じることができるのです。
またパート社員、アルバイト店員の場合は、出勤日の多いスタッフほど300ポイント達成のスピードが速くなるのも合理的です。
個人の努力、頑張りを認め、たたえること
自動車の販売や宝石の販売など、毎回の売上が店のどのスタッフによるものかが明確な業種については、個人単位の成果に対してインセンティブを出すことも可能です。
また、「重点商品1点の販売につき」など、商品を限定してインセンティブを出すと、店としての重点商品の販売成果を出しやすくなります。
一方、売上など明確な数字ではなく、皆の表彰で「今月のMVP賞」など、貢献度の高いスタッフを定期的に表彰することもできます。
長期的なものとしては、定期的な評価による点数を毎回加算し、累計の評価点数が500点になると、累計点数達成賞としてインセンティブを出すという事例もあります。
定期的な評価の点数を累計するので、勤続が長く評価を受けた回数が多ければ累計点数基準をクリアしやすくなります。ということは、勤続の長いスタッフを賞賛することつながります。
また、評価点数が高いスタッフほどクリアするスピードは速くなるので、評価項目クリアに向けて努力している人を賞贅する制度にもなります。
このような考え方で評価制度を運用していけば、スタッフ同士も納得して相手を認め合って、仕事に取り組めると思います。
「私のほうが長時間働いているのに、なぜ、あの人の方が給与が高いのか?」そんな声も無くなるでしょう。つまり、ここは私を認め、安心して働ける場所であるという信頼を与えることに繋がるのです。
以上、「スタッフの働く意欲を引き出すインセンティブ制度を取り入れて、スタッフ定着率アップ」でした。