いつも笑顔で頑張っているスタッフほど、日々のストレスが蓄積している場合があります。
なかなか外見ではわからないので、店長も見過ごしてしまいがちですが、放っておくと突然退職を申し出たり、大きなミスをしたりと、店舗にとって痛手になるような事態になるかもしれません。
働いているスタッフは、口には出しませんが、「理解して欲しい」と常に思っているはずです。
企業でも、働く社員のストレス管理を徹底するようになりました。
大切な人材を失わないためにも、店長としてスタッフのストレス管理をやっていきましょう。
つまらなそうな仕事ほど役立つことを理解させる
うつ病などが社会的に表面化するまでは、ストレスに対するイメージは、精神的な弱さが原因のように思われがちでした。
しかし、ストレスというものは、生み出す環境や事象の影響を大きく受けています。
店長は、そうしたストレス要因が、組織や店舗で働く人に多くの弊害をもたらしていることを理解すべきです。
ストレスの要因は大きく2つあります。
- 業務上生じるストレス
- 人間関係など職場環境によるストレス
仕事上のストレスは、能力に見合わない仕事を与えられたりすることや、仕事に携わること自体から引き起こされます。
<ストレスを引き起こしやすい仕事内容>
・単純で意味を感じられない仕事
・本人が望まない仕事
・嫌悪を感じながら行う仕事
・本人の能力以上の仕事
仕事の内容だけでなく、仕事の進め方にもストレスを感じることもあります。
自由な選択権がなく、自分の意思や考えが全く反映されない、周囲からの支援や指導が得られない状況などです。
店舗の仕事には、極寒や猛暑時期の倉庫業務、商品づくりや棚卸など、単純でつまらなそうに感じられる仕事が数多く存在しています。
店長は流れ作業のように仕事を指示するだけではなく、単純作業やつまらなく感じられるものほど、その仕事の意味、お客様のための仕事や業務であることの理解促進を行うべきです。
仕事のやりがいの一つは「役立ち実感」です。
「誰かの役に立っている」ことを店舗スタッフ認識することで、仕事へのモチベーションを高め、ストレスを回避することができるのです。
<スタッフにストレスを感じさせない方法>
・仕事の内容への納得(本人能力と見合った仕事内容であること)
・裁量度(選択や工夫を本人の判断でできること)
・周囲からの支援(管理や指導、相談できる環境が整っていること)
仕事内容が、本人の能力に見合うほどストレスは感じにくい。
さらに、自分の意思が尊重され、自由裁量が認められ、周囲からの理解や支援が得られる環境で働くことができれば、店舗スタッフは、自分の持てる能力をストレス無く発揮することができます。
また能力と仕事に大きな差異があっても、自由裁量、支援や指導があれば、これを乗り切ることもできます。
初めて行う仕事などは、特に先輩スタッフなどに気軽に相談できる環境を整えておくことが重要です。
また、店長から直接声がけをしておくことも良いでしょう。
ストレッサーを発見し対処策を考える
ストレッサーとは、物理的、生物的、化学的、精神的なものなど、ストレスの要因になっているものを言います。
対策をしても、ストレスは誰にでも何かしらあるもので、完全に防ぐことは不可能です。
うつ病のように、精神的な健康を崩す場合と、動悸や息切れ、めまいなど体調に変調をきたす場合もあります。
どちらも風邪や単なる体調不良と間違われ、「サボっているのではないか?」「やる気があるのか!」「もっとしっかりと頑張れ!」スタッフに口出ししたくなると思います。
しかし、ストレスを感じている店舗スタッフがいれば、それを口に出す前に、そのストレスを取り除く必要があります。
ストレスはストレッサー(ストレス要因)が働いて引き起こされます。
店舗スタッフの、心の負担となっているものが、ストレッサーです。
<ストレッサーの見極め方>
最近の様子が変わったかな?と感じる。
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面談や声かけ、関係者へのヒアリングを行う。
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ストレッサー(ストレス要因)を発見し認知する。
ストレッサーを見極めることができたら、ストレッサーが常識的な対応で乗り越えられるものなのか、それとも取り除かなければならないものなのかを判断してください。
例えば、誰でも経験があると思いますが、新入社員の感じるストレスは、学生と社会人という立場の変化が引き起こすもので、このストレスは乗り切るべきものです。
業務以外にも疎外感や孤独感から、ストレスを感じることもあります。
いずれにしても、店長として店舗内の人間関係はもちろんのこと、店舗スタッフの精神状態と健康状態を把握し、店全体のコミュニケーションを良好にしていくことが必要です。
以上「店舗スタッフのストレス管理方法」でした。