経営目標を達成するためには、最初の仮説にそって計画を立てる必要があります。
ただ単に計画をぼんやりと想定しても、何をどのようにすればいいのか具体的に見えてきません。
逆に理想を追いすぎて、ギチギチに計画を立てるとやがて無理が生じてしまいます。
無理がなく、立てた仮説実現の可能性が高く、誰もが実行しやすい計画の立て方を考えてみましょう。
最初は仮説を具体的な実行計画に落とし込むこと
経営や売上の目標達成の仮説が決まれば、次に具体的な実行計画に落とし込む作業になります。
経験の浅い店長や経営者は、仮説を立てた段階で実現できたような気になって、結果的に何も実行できていないということがあるようです。
仮説を立てる時は夢を描くような気持ちになるので、とても楽しいもの。
しかし、いざ実際に計画を立てようとすると、現実が目の前にイメージされるので苦しく、面倒になるかもしれませんが、そこで逃げたら目標達成は本当に夢に終わってしまいます。
仮説は具体的な行動に落とし込まれて、はじめて計画となるのです。
逆に言えば、計画は具体的になっていないと実行できません。
「具体的」とは「誰が(Who)」「何を(What)」「いつまでに(When)」「どのように(How)」「どれだけ(How many)」実行するかという観点でそれぞれ現実を鑑みながらするべきことを決めていきます。
★3W2Hで具体化する
・Who (誰が) 計画に関わる担当者を決める、それぞれの段階の担当者を決める。
・What (何を)商品、行動に関することを決める。
・When (いつ、いつまでに)時期、期限を決める。
・How (どのように)方法、手段を決める。
・How many(どれだけ)目標数を決める。
以上の3W2Hは計画には絶対に欠かせない要素なので、しっかりと吟味しながら計画に落とし込みます。
考えている時に「やっぱり無理かもしれない」「目標が大きすぎるかな?」と思うかもしれません。
現実離れしすぎるのは問題かもしれませんが、頑張ったら達成できるかもしれないという少し大きめの目標を持つことが夢がありますし、挑戦意欲が湧くものです。
大きな目標でも諦めたり、ダウンサイジングする必要はありません。
なぜなら大きな目標を細分化して、段階ごとの小さな目標を積み重ねていけば良いからです。
それでは具体的に「現実」という材料を鑑みながら、時期に分けて計画を立てていきましょう。
年間、四半期、月間、週間計画に落とし込む
①年間計画
年間計画において必要なことは、年間数値目標、定性目標の明確化、具体的戦略・戦術の立案、四半期ごとの実行スケジュールの立案です。
②四半期計画
四半期ごとの計画では、年間計画で作成した目標達成のための戦略・戦術をより具体的な実行計画に落とし込むことです。
年間を3ケ月ごとの4期に分けて実行スケジュールに落とし込む。四半期計画が準備期間、現状動向への対応と考えると、最もやりやすい計画です。
③月間計画
月間計画は、最も中心になる実行計画です。
年間計画、四半期計画を3W2Hで月間に落とし込む。
月間計画は、前月の実行状況を見て修正することも必要ですが、遅くとも前月の中旬までには立てるべきです。
④週間計画
月間計画を更に具体的に週間計画に落とし込みます。
週間計画の利点は、期間が1週間と短期間でデッドラインが決まっているため、必然的に計画の内容が実行可能な具体的なものにならざるを得ない点です。
実践的で成果もすぐに検証できます。
業種によっては年間52週計画を立てて、実践している企業もあります。
ただ、毎週計画を作成することは、店長にとってはかなりの負担になります。
計画作成に時間を取られて、日常の業務が疎かになっては本末転倒です。
だから月間計画と合わせて、一緒に作るのがよいでしょう。
店舗スタッフへの納得性
店長1人で運営している小さなショップなら良いのですが、少人数でも一緒に働いているスタッフが存在する場合は、スタッフの協力無しに目標達成は有りえません。
成果を出すためには自分だけでなく、組織として同じ目標に向かって取り組むことが重要です。
そのためには、店舗スタッフに取り組みの必要性を十分説明すること。
さらに取り組みに納得してもらうことや、計画段階から積極的・自主的に関わってもらう必要があります。
誰しも様々な所で勤務した経験があると思いますが、上から組織の上から一方的に与えられた目標や計画では、やる気が起きないものです。
でも、自分がその計画に参加しているという意識があれば、実行する際に取り組む姿勢が全く変わってきます。
目標達成のために店舗が一丸となって取り組めば、成功する確率がどんどん高まっていきます。
以上、「店舗経営と売上の実行計画を立てる意味と方法」でした。