小型店、専門店の店長の資質と役割

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求められるのは人間的な魅力と、豊かで触れあいのある店舗運営

普通に店長と言っても、経営し預かる店舗の規模は実に様々です。
全国的に見て、最もたくさんあるのは小型の小売店や飲食店です。これら専門店店長の役割とは、どういうものだと考えていますか?

小型店、専門店の店長は、ほとんどの場合、実務として販売員を兼務しています。
そのため自分自身が常に店舗の看板となり、店舗全体の予算達成のため推進力を最大限に発揮していく意識を持つことが大切です。

今の社会ではイオン系のスーパーやホームセンターなどの大型店がどんどん進出しているので、小型店の場合、キラリと光る特徴を作らないと大型店に負けてしまう。それはたとえ有名ブランド品を扱っているお店の場合でも同じです。

そのような大型店と違って小型店の場合は、ブランドカや商品力以前にお客様に対する接客姿勢や提案力、顧客管理やサービス力が優先します。

つまり店舗スタッフ一人ひとりが工夫して作り出す魅力で、お客様をつかんで離さないように仕向けていくことが一番重要なのです。
要は、お客様一人ひとりの笑顔や満足を引き出す人間力豊かな、触れあいのある店舗運営に小型店は取り組んだほうがいいのです。

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お客様の好みと関心は、千差万別だからきめ細かな顧客管理が求められる

できるだけたくさんのお客様へ喜んでいただくためには、きめ細かい顧客管理が必要です。最初はお客様の顔と名前を覚えるところから始めればいいでしょう。

そして次にお客様の趣味や嗜好、家族構成やライフスタイル、前回購入していただいた商品の履歴などが頭に入ってくると、心のこもったサンキューレター(お手紙)やパーソナルなメッセージが入ったダイレクトメールなども発送できるようになります。

するとお客様は、自分のことを大切にしてくれて、自分のことを何でもわかってくれているお気に入り店舗として、積極的に足を運んでくれるようになる可能性が高まります。

小型店の店長は、従来からある当たり前の<商いの基本>を頭に入れ、まず自分が実行できないといけない。そしてそれを店舗のスタッフにも理解してもらって、働いてもらう必要があります。
現代はマニュアル社会と言われます。
しかし、なんでもマニュアルに頼ったり、マニュアル作りに懸命になる前に、この部分が業種を問わず重要なことではないでしょうか。

店長は販売だけでなく、仕入にも責任を持つことで顧客満足度を上げることができる

店舗全体で、多様なニーズを持つお客様に愛される店となるための基本的な動きができれば、次に専門性、「その店らしさ」を引き出した店づくりが課題となります。

小型の専門店の店長の中には、その店舗の全ての商品の仕入権限を持っている人もいます。その場合、仕入先との商談やメーカーや卸売業の展示会に出向き、直接商品を発注するという業務にも、責任感を持って取り組んでいかなければならない。
商品の品揃え次第で、お客様の満足度も利益も変わってくるので、とても重要な仕事です。

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アパレルショップやブランド雑貨の専門店の場合、海外出張での仕入などの可能性もあります。
だから、その商品が入荷した時の店舗のイメージをして、売上予算に見合った仕入に取り組む必要があります。

このような責任ある業務に取り組むためには、上得意のお客様の名前を覚え、この商品なら○○さんという風に顔を思い浮かべながら、その人に合った仕入を行うことが必要になります。実際にそういう達人レベルのカリスマ店長も世の中にはたくさんいますし、お客様から大切にされてお店は繁盛しているところが多いものです。

仮に商品の仕入権限がなくても、本部や商品部に対して自分達の店舗のお客様の特性を伝え、店の客層に合った商品構成をとってもらうという、店頭情報のフィードバック業務に積極的に取り組んだほうがいい。
そういう作業で手を抜いてしまうと、結局は売りにくい商品がいっぱいの店舗になり、業績の達成が難しくなってしまう。

小型店の店長は、販売に責任を持とうとすればするほど、実は仕入にも責任を持たなければならないのです。

ブティックタイプの店では、店舗スタッフ=モデル・マネキンという側面もあり、ブランドを愛するお客様の憧れの存在にスタッフがなっていかなければならない。

そのため店長レベルともなると、服装や髪型・化粧、身だしなみや立ち居振る舞いまでブランドの顔、お店の顔として手を抜くことが許されない。

また高額品・買い回り品店の場合は、より高い満足感をお客様に提供していくために商品知識や販売・接客技術を高める努力が不可欠となり、その努力がロイヤルカスタマーを生み出す流れにつながるのです。

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