店長のための「必要な利益確保のための販売計画」と損益分岐点から導く店舗経営術

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あなたが店長なら、今期の売上計画をどのような考えで作りますか?

健全な店舗経営のためには、店長の趣向だけで商品を仕入れて売るわけにはいきません。

そこには「利益の確保」という明確な目的があるからです。

利益が上がらなければ、店舗の持続も危うくなってきます。

そして、立案した売上目標にたいして、どのような販売計画を立てるか? これが店舗経営において、とても重要なことなのです。

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損益分岐点売上と目標利益達成点売上

よく言う「前年比〇%アップというアプローチでの売上計画の立て方」は間違いではありません。

しかし、経営者としての店長は、「必要な利益確保のための販売計画」の策定・遂行という視点も必要です。

そのためには、自店の損益分岐点売上と、目標利益達成点売上を把握しておく必要があります。

◎損益分岐点(BEP=Break-EventPoint)売上とは?

「利益」が残るか「損失」が出るかの分岐点になる売上高を指します。

損益分岐点=固定費÷限界利益率

◎目標利益達成点売上とは?

目標利益を確保するために必要な売上高を指し、先ほどの算式に目標利益分を加えます。

目標利益達成店売上=(目標利益額+固定費)÷限界利益率

2つの算式に出てきた固定費とは、社員の固定給・地代家賃など、売上の増減によって変動しない経費(極端な話、売上がゼロであっても必要な費用)を指す。

◎限界利益とは?

固定費を考えず、その商品を販売して得られる最大限の利益を指します。

限界利益=売上-変動費

ここに出てきた変動費とは、「仕入原価」や「小口配送費」のように、売上の増減に比例して変動する費用を指す。

実際には、個々の費用項目が「固定費」になるのか、「変動費」になるのかの区分は難しい。

厳密に言えば、「小口配送費」や、「販促景品」や、一部の「人件費」や「光熱費」等、変動費的な性格のものがあります。

しかし、店舗の概算損益分岐点を計算する時は、「固定費=販売管理費」として計算しても、たいした誤差はないと思います。

「固定費=販売管理費」とするなら、残りの費用は原価だけとなるので、「変動費比率=原価率」となり、「販売管理費÷(100%-原価率)」、すなわち

「販売管理費÷粗利益率」

となります。

この算式を使えば簡単に、おおよその「自店の損益分岐点売上高」を知ることはできます。

安全余裕率の高さは、長期的な店舗営業の要

「現在の売上高」と「損益分岐点売上高」の差を示す指標を「安全余裕率」と言います。

安全余裕率=100%-(損益分岐点売上÷現在の売上)

この安全余裕率の値が大きいほど、売上が減少しても赤字になりにくい。つまり、安全な店舗運営をしている店(会社)と言えます。

例えば、現在の売上が1000万円で、損益分岐点売上が700万円だとすると、安全余裕率は30%となります。すなわち、30%売上が低下しても赤字にならないことを示します。

損益分岐点以上の売上を作ることは重要ですが、「損益分岐点」自体を下げて、「安全余裕率」を高めておくことは、健全な店舗経営を持続するために必要なことです。

重要なのは、売上の減少に対して強い(利益を残せる)体質を作ることなのです。

変動費的性格の費用も実行すれば全て固定費

店舗の損益分岐点を下げる取り組みと合わせて、パート・アルバイトの増員や、販促施策、値引き販売等、日々の全ての意思決定の際に、損益分岐点の観点からの検証・採否判断が必要になります。

全ての費用が発生することに、計画段階から損益分岐点を把握しておくことは、店舗の営業利益計画を担保することにつながります。

店舗が確実に利益を出す(=損失を発生させない)ためには、できるだけ固定費を低く抑えることが重要です。

特にで強調しておきたいチェックポイントは、パート・アルバイトの人件費や販促費など、店舗の損益計算の上では「変動費」的性格のものであっても、意思決定をして実行に移した瞬間に全てが「固定費」になってしまうことです。

例えば、チラシによる集客活動でじゃ、チラシを印刷して配布してしまえば、その反響があろうがなかろうが、売れようが売れまいが、印刷代も折込費用等も既に「固定費」として確定しているのです。

感覚的に捉えている損益分岐点は実際より低い

値引きセールのように粗利益率に影響しない施策や、新たな変動費が発生しない施策であれば、

「固定費」分の粗利益を取れる売上(例えば固定費100万円で、粗利益率が25%ならば、「固定費(100万円)÷粗利益率(25%)=400万円」)

が、その施策の損益分岐点売上高ということになります。

しかし、値引きや景品添付、下取りセールなど限界利益率が変化する施策の場合は、

「固定費(100万円)÷(値引き後の)限界利益率」

がその施策の損益分岐点となります。

「価格訴求」の施策の場合、実際に損益分岐点売上を計算してみると、感覚以上に、「売上」が必要になります。

多くの現場スタッフが、感覚的に捉えている損益分岐点と、実際の損益分岐点との間には大きなギャップがあることが多い。

そのために、スタッフは損益分岐点売上にまで達していなくても、ある程度の集客と売上があり、忙しく働くことにより充実感を持ってしまう。

この充実感は「モチベーション管理」の視点では重要なものであり、全て否定されるべきものではないが、「損益管理」の観点からは曲者です。

だからといって、「価格訴求型」の施策を全て否定しているのではないのです。

競合対策やお客様のニーズ対応という点では、必要性のあることは十分に承知しています。

損益分岐点売上高について、再確認して欲しいポイント

まず損益分岐点売上を、

①数値として把握すること。

②主要スタッフとその数値を共有しておくこと。

③損益分岐点売上を達成できるような、販売の数値計画と販売ストーリーを作ること。

④集客商品だけでなく、粗利益商品を上手く組み合わせて粗利益を確保すること。

以上を再確認していただきたい。

以上、店長のための「必要な利益確保のための販売計画」と損益分岐点から導く店舗経営術でした。

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