店長のための労務管理の基礎知識~労働時間と休日について~

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労働管理の基礎知識

最近、働き方や特に残業時間に関することが国会で審議になり、就業時間に関する話題が関心を呼んでいます。

アルバイトが集まらない、採用してもすぐに辞めてしまうなど、人材確保はどこでも深刻な状態が続いています。

ここで考えてほしいのは、店長がまだ新人として働き始めた時代と、現代では「働くという意識」の違いがあるということです。

お金が欲しいという気持ちはあっても、昔ほどお金に貪欲な人は少なくなりました。

どちらかというと、お金は欲しいが、自分の時間は特に大切にしたい・・・という意識が強くなっています。

だから、勤務先を探す際は、残業の有無や労働環境や労働条件などを重視する傾向にあります。

店舗スタッフの就業時間を管理している店長は、法的なことも頭に置きながら、スタッフの状態を把握して、偏りがないように就業時間を考えなければいけません。




扱いが複雑な労働時間、休憩、休日に関する法律

店長は、就業時間と休憩、時間外割増賃金など、自店の就業規則を正確に把握していますか?

店舗スタッフから聞かれた場合に、すぐに答えることができますか?

店長は、店舗における労務管理責任者です。

店内の決まりはもちろんのこと、法律についても基本は理解しておく必要があります。

そして労働時間は厳密には、就業前の準備や着替えなどの時間を含みます。

しかし、それら準備時間は含めずに、定められた勤務開始時間からを労働時間とするところが多い。

時間単位で賃金が決められているパートやアルバイト、派遣社員などは特に「着替えのために30分早めに来て、30分遅く帰っているのにその分の賃金が払われないのはおかしい」「朝礼時間が勤務時間に入らないのはおかしい」など、準備時間も勤務時間であることを主張する人も増えています。

もしくは、そのことに不満を持っているけど、声には出せないでいる人はさらに多いと思います。

だから少しでも条件が良い環境があれば、すぐにそちらに転職してしまう可能性があります。

<労働時間と休憩に関する規定>

  • 休憩時間を除いて、1週間につき40時間を超えない労働となること
  • 1週間の各日に、1日8時間を超えない労働であること

上記の労働時間を超えた労働に対しては、割増賃金を支払うこと。

普通時間外手当は、基本時給の1.25倍

深夜(22時〜翌朝7時)は基本時給の1.5倍の割増金を支払わなくてはならない。

1日7.5時間労働で、週5日勤務の店舗だと、40時間を超えたところ、あるいは1日8時間を超えたところから割増賃金が発生します。

40時間、あるいは1日8時間を超えるまでは、普通時間単価での支払いでかまわない。

  • 休憩は1日6時間を超えた場合には45分以上、8時間を超えた場合には1時間以上の取得が必要

アルバイトやパートのシフトを作成する場合には、休憩時間を考えてシフト作成をします。

  • 時間外勤務を命じる際には、通常勤務の休憩時間が1時間未満であれば、8時間を超える時点で一旦休憩時間を設けること

昼休みが45分休憩の場合には、休憩を忘れがちなので、気をつけてください。

変形労働制とは

<週単位の変形労働時間について>

「変形労働制」をご存知ですか?

変形労働時間制は、週平均40時間以内の範囲で、36協定届(時間外・休日労働に関する協定届)によらず、割増賃金を支払うことなく、特定の日や週に法定労働時間の原則を超えて労働させることができる制度です。

これは、労働組合または従業員の代表者との書面による取り決めによって実施が可能となります。

労働者数30人未満の小売業・旅館・料理店・飲食店で実施が可能です。

1週間の労働時間を40時間以内とし、1日は10時間以内の労働とします。

この場合、1週の労働時間が40時間以内であったとしても、1日10時間を超えた場合には時間外割増賃金が発生します。

<月単位の変形労働時間について>

月末や締めの時期など、忙しい時期がある場合に利用します。

1ケ月以内の一定期間の週の平均労働時間が、法定労働時間を超えないように労働する制度。

ただし、8時間を超える日を決めておく必要があります。

セール期間や棚卸など、行事が定例化している場合にこの制度を使うと便利です。

<年単位の変形労働時間ついて>

季節による繁閑の差が激しい業種や業務、例えばリゾートホテルやスキー場、宿泊施設などで利用されています。

対象期間は1ケ月以上1年以内とし、1週間の労働時間を最長で52時間とできる点が特徴です。

ただし、連続勤務日数は6日以内です。

また、1週につき48時間以上の労働は、連続3週までで、3ケ月にっき3回までです。

年末年始の繁忙期などに上手に活用している店舗も多い。

法定休日とは?

労働者は1週間に1回以上、月に4回以上の休日を必ず取得しなければならない。

この法定休日に店の命令により出勤が発生した際は、1.35倍の休日割増賃金が発生します。

週休2日制の場合、2日のうちの1日に出勤した時には、単なる時間外割増の1.25倍でもかまわないとされています。

休日に関しては、誤解を受けやすいルールが多いので確認をしておくべきです。

<休日振替と代休について>

  • 事前に休日と労働日を入れ替えることが休日振替
  • 休日に出勤した代わりに、別の日に休日を取得することが代休

休日振替では、割増賃金は発生しない。

代休の場合には、割増賃金が発生します。

代休により労働時間本体は相殺されますが、割増分の0.35倍は支給しなければならない。

同じように休日出勤をしても、その後に休日振替か代休を取得するかによって人件費が変わってきます。

経費コントロールの観点からも、部下の体調・精神管理の面からも、労働時間と休日の基礎は押さえてください。

以上、「店長のための労務管理の基礎知識~労働時間と休日について~」でした。







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