接客マニュアルに頼ってロボット店員のようになってはいけない

マクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、スターバックスなどの外資系のファースト・フード店は、電源もWi-Fiも完備しているところがほとんどなので、食事以外の目的でも利用することがあります。
店員の対応もドライな笑顔と管理徹底された接客に違和感も覚えないぐらい、もうそれが当たり前になっています。

どこのお店に入っても同じなので、行きつけの店舗というふうにはなりません。だってみんな同じですから。
でも突然、これからもこの曜日、この時間帯にはまた来ようと思える瞬間があります。

それは店員にイレギュラーな接客をされたとき。それはなにげないひと言や、ちょっとした気づかいというマニュアルには無い対応をされたときなのです。

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ロボットの店員を愛することができますか?

ショッピングセンターや駅構内には必ずあるよく利用するファースト・フード店の販売員はみな、礼儀正しいです。
声も大きく、店員同士のコミュニケーションも活気があるようで、嫌な気持ちにはなりません。

でも、じっくり見ていると、みんな同じような作られた顔、リモコンで操られているような動きに見えてきます。
そう、まるで感情の無いロボットのように。
ベルトコンベアーに乗せられたお客様が、次々と運ばれてきて、順番に整理されていくような、そんなふうに見えてしまいます。

客の立場にたって見ても、このような接客マニュアルで仕切られたお店に、ホテルレストランのようなホスピタリティは求めていないし、低価格に見合った接客だと割り切っていますから接客応対で不満に思う事はないでしょう。

もしあなたが有名なチェーン店のマニュアルに感動して、便利だからと接客応対の仕組みを真似した時、どんなお店の様子が想像できますか?
そのお店に何度も訪れたくなりますか?
お店のファンになりたいと心から思いますか?

これで、お客様を感激させることができるでしょうか?

接客は義務ではなく、心の交流

接客マニュアルで徹底教育された店員、販売員の「スマイル」も「礼儀正しさ」も、お客様にとっては「マニュアル通り、よく教育されているわね〜」としか評価されないでしょう。

つまり、接客マニュアルを徹底すればするほど、店員の行為は義務的になります。
その人の「個性」はそこにはありません。

その結果、いつでも同じサービスを受けられるという反面、どこへ行っても同じなので、そのお店の固定客(ファン)としては定着しないでしょう。

また、店員は「お客様から感謝される機会」を失い、最初は楽でいいと思って覚えたマニュアルも、味気ない物に見えて、お給料をもらう以外に働く意欲や醍醐味を失ってしまいます。

確かに、店舗ごとのマニュアルはとても大切です。特に、店内全体のカラーを統一させ、接客・販売のレベルを一定レベルに向上させたり、そのレベルを維持したりするためには、必要不可欠です。お店を運営する上での効率化にもたいへん役に立つものです。
なぜならマニュアルというのはお店で長年培われた経営ノウハウが凝縮されている、お金には換えられない指南書なのですから。
お店の経営者にとっては、大金を払い、たいへんな労力と時間を費やして作ったマニュアルを、使わないなんてことは考えられません。

しかし、マニュアルというものは、どんなに優れたものでも万能ではありません。
その商品、その価格、天気、売場、お客様・・・さまざまな条件が複雑に絡み合った現場で、最適な判断とサービスでお客さまに感動を与え、成果を出すためには、「マニュアル頼み」では限界があるのです。

店員に限らず、プロやカリスマとわれる人はみんな、その環境と条件に合った最適な判断と行動を瞬時に見極めて行動しています。マニュアルにはない「個性」を「強み」に勝負していると言えます。

接客マニュアルを徹底して行動しても、絶対に接客のプロとは言ってもらえないことを知ること

接客においてプロとして一定のレベルを超えようと思ったら、既存のマニュアルに頼るのではなく、独自性(個性)の発揮が大切なのです。

例えばスーパーで時々見る光景です。
ある程度の規模のスーパーには、複数のレジが設置されていて、それぞれ空いているところにお客様が商品を持って並んで支払いを済ませていきます。
スーパーもできるだけスムーズに支払い処理ができるようにと、このように複数のレジを設置しているのですが,1つのレジだけ長蛇の列ができることがあります。
他のレジが空いているのに、そうなることがあります。

なぜかというと、常連のお客様に信頼されている一人の店員がレジをしている台に並んでいるからです。

「あの店員さんのレジに並びたい」「あの店員さんと会うのが楽しみ」
これはその店員の「個性」が評価されているからこそ、このような指名現象が起きるのです。

お客様は十人十色。全てのお客様に合わせた完望なマニュアルなど、この世に存在しません。
それなのにマニュアルに依存している店員のなんと多いことか!
人間はロボットではありません。だから基本はマニュアルに添いながらも、自分の意志で考えて行動して、もっと個性を発揮すべきなのです。

お客様ひとり一人に応じた発言内容を心がけよう

「お客様、お荷物、そこまでお持ちしましょうか?」

なんて親切な販売員なのだろう! 
と感心していたら、別の販売員が別のお客様に対しても、同じことを言っているではないですか!

「なーんだ。お客様にはこのように接しなさい。と、教育されてるんだな」
このように、すべての販売員が同じ言動をとると、お客様に与える感激度が薄れます。

では、どうすればいいのか?

発言する内容を変えてみるのです。

たとえば、「お荷物、そこまでお持ちしましょうか?」と言う販売員がいれば、「重いでしょうから、私にお任せください」と言う販売員がいてもよいでしょう。

このように、発言内容を不統一にしてください。
そうすれば、「このお店、店員さんがみんな親切だわ!」という印象を、お客様に強く抱かせることができるでしょう。

マニュアルに書かれているような、決まり切った平凡な言葉で、お客様のこころを動かすことはできません。

販売員それぞれが、自らの言葉を発してこそ、お客様に感激を与えることができるのです。
お客様が喜んでくれる「あなたらしいメッセージ」で、お客様をおもてなししてください。

決して接客マニュアルに頼ってロボット店員のようになってはいけないのです!