繁盛店の店内レイアウト決定法

売場づくりの際には、必ずレイアウト(配置)を決定しなければならない。
その目的は、主に次の2つ。

①客動線(お客様の動き・流れ)を長くする

②従業員の動線を短くする

お客様の店内での回遊性を高め、購入機会を高めれば客単価を向上させることできます。それが売上につながるため、客動線を長く、かつ、お客様にとって動きやすい売場にしなければならない。
それと同時に、従業員の作業効率を高めるためには、従業員の動線はできる限り短くする必要がります。
この2つの目的を果たしながら、より売れる売場に改善していけばいい。

広告

店内にある売れる三大スポットとは?

店内の商品で「売れ筋商品」「見せ筋商品(売れにくい高価な商品等)」があります。
同じように売場にも、商品が売れる場所と売れにくい場所とがあります。
繁盛店では、この売れる場所と売れにくい場所をきっちりと区別し、活用しています。

◎店内売場における売れる場所は次の3ヶ所。
①入口を入った目の前
②レジ前
③エンド部分

これらの「売れる三大スポット」に、どのような商品をどれだけの量を陳列するかにより、店の売上が大きく変わります。

①の入口付近であれば、店内に入ってすぐ目に入る場所であり、第一印象のインパクトを与えることができます。

②のレジ前はお客様のほとんどが立ち止まる場所、③のエンド部分は歩くスピードが一時的に遅くなる場所となるため、より売りたい商品や季節商品の展開場所として好ましい。

広告

店内のレイアウト決定の手順

先に述べた「売れる三大スポット」を有効活用するためには、店内レイアウトの変更も必要不可欠です。

①の入口付近に、1~2メートル四方の平台を設置する。
平台には3~4段のひな壇をつけることにより、ボリュームを出すことができるため、品揃え感を演出することができるからです。
この場所には、店内で最も販売数量または販売金額の多い商品を置くことにより、店内全体の売上アップに貞献することができるようになります。

②通路幅に注意しながら他の什器の位置を決めていく。
通路幅は、ベビーカーや車椅子が通れる最低幅の80センチ以上を基準とします。
団体客が多い店舗では、1メートル程度を確保するとよい。

どの場所にどの商品を陳列するかを決める

入口付近には、販売数量または販売金額の多い商品を置くと、店内全体の売上を上げることができます。

②のレジ前には、単価が低く「ついで買い」を誘いやすい商品を陳列する。
これで、プラスアルファの売上が作りやすくなります。
例えば、コンビニエンスストアではレジ前に200円以下の和洋菓子の陳列を充実させているケースが多いが、この戦略が「食後に甘いものを少し食べたいが買うのが恥ずかしい」というビジネスマンのニーズを捉え、売上を伸ばした代表的な例と言えます。
その他、レジ付近には「主婦が買い忘れていそうな商品」を置くと効果が出やすい。

③のエンド部分は、季節のおすすめ商品などを陳列することにより、売上アップを望める。
この場所は、お客様の歩くスピードが自然と遅くなるために足が止まりやすく、売場としては目立つ場所になります。

以上のように、広い売場の中でも改善効果が出やすい場所から売場づくりを行うとよい。関連する商品をグルーピングしておくと、レイアウト決定時にも便利である。
①お客様の来店動機によるグルーピング
②商品特性(冷蔵など)によるグルーピング
③商品の機能・用途によるグルーピング
の3つを基準にする。

商品をグルーピングする際の具体的な考え方

グルーピングの目的は、探しやすく、見やすく、使用場面がイメージしやすく、商品の差異が分かりやすくすること。

◎商品の属性項目内容をどんな基準で決めればよいか。

①消費財・生産財による区分

消費財は、
a.最寄り品
b.買い回り品
c.専門品

生産財は
a.主要装備品
b.付属装備品
c.業務用消耗品
d.原材料

②流行による区分

③製造に関する区分
メーカー別・デザイン別・色別・サイズ別・容量別・素材別・産地別・容器別・形状別・賞味期限別など。

④仕入先による区分
メーカーダイレクトと代理店経由です。

⑤販売に関する区分
販売量別と価格帯別の区分です。

⑥消費に関する区分
用途別・客層別・使用方法別・時間帯別・シーズン別などです。

◎自社の業態特性が活かされているか

自社の業態特性は何か、つまり主力商品・準主力商品・補助商品は何かを決めます。
「この商品を購入するなら”あの店”」と思ってもらえる程に強い商品を持つこと。

◎商圏特性の把握レベル

誰を顧客として設定しているのか、また慣習的な特性はどうなのかで分類します。

◎競合店舗との差別化レベル

競合店と分類上何が差別優位性になるのかを考えて、分類する考え方。

このように繁盛店の店内レイアウト決定法には、様々な手法がありますから、自分のお店にあった方法、もしくは店主自身がやってみたい方法を試してみてください。

テキストのコピーはできません。