人件費コントロールを考えた入時管理は可能ですか?

人材管理

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人件費の増減が店舗の利益に直結する

一般に小売業の粗利益率は、そう高いものではない。
低い業種では15%前後、高くても50%程度。平均30%というところだろう。こうして獲得した粗利益の中から経費を支払い、利益を残していきます。

どこの店舗でも、利益が残るように上手に経費をコントロールしています。
この経費の中でウエイトの大きいのが、不動産費と人件費。

不動産費は通常、契約時に決まった金額があり、毎月の売上の都合でコントロールすることは難しい。一部歩率家賃であればそういう性格を持たせることもできますが、大部分が最低保証が組み合わされ、固定費的な要素が強い。

どの業界でも繁忙月と閑散月が存在します。だからこそ暇な時期には人件費を抑制し、繁忙期には適正範囲で通常以上の人員を投入してお客様をさばくということが必要になります。

つまり人件費を上手にコントロールしないと、店舗で利益を向上させることは難しい。

深夜営業の店舗や24時間営業の店舗も増え、営業時間の延長分が利益拡大につながらないとすると、何をやっているか全く意味不明になりかねない。

夜間の人件費は、昼間と比較すると高くなる傾向があるため、思うように客数や売上高を確保できないと、光熱費などの経費の増加と人件費の増加分を考えてみれば赤字という事態に陥ってしまいます。

だから店長が、人件費をコントロールする技術を身につけていないと夜間営業にも取り組めない。

店長の主要業務である「シフト管理」とは、店舗作業に必要な要員を確保する技術ではなく、店舗利益を獲得するために限られた人件費内で人員をやりくりする技術です。

しかし気弱な店長や計算が弱い店長は、店舗スタッフの確保ができなくなることを恐れ、多めに人員を投入する傾向が強い。

正社員においても、週40時間を基本にシフトを組まなければならない。その上にパート社員、アルバイトをプラスして行うべき作業を全てやりぬくためにレイバースケジューリング(「仕事の量に合わせて人員を配置する」仕組み)、レイバーコントロール(人材運用、人的資源の効率化)という広い知識を身につけ、人件費コントロールに取り組まなければならない。

◎レイバースケジューリングに基づいた人件費コントロールの基本

①利益を生むためにはいくらの入時(M/H)=マンアワーまでのパート社員・アルバイトの人員投入が今月は適正かを把握する

②そのために売上高と粗利益高の予測を行い、人件費支出可能枠を把握し正社員分を差し引く

③残りの支出可能人件費をパート社員・アルバイトの1時間当たりの平均人件費で割り、総入時を算出する

④総入時枠内に収まるようにパート社員・アルバイトのシフトを計画する

⑤売上高が予測と大幅に食い違う場合は投入する入時を調整して対応する

わかりやすく言えば、利益の拡大につながらない人員の投入は極力避けるという視点を持つということです。

ところが通常は、運用は決して簡単ではありません。
・きめ細やかにシフトを組むのが面倒
・人の募集が案外難しく面倒
・パート社員、アルバイトが多くの賃金を望む人が多い場合にその抑制が難しいこと
・長く働いている人の勤務時間カットが必要になってもなかなか切り出せない
・利益だけを最優先してシフトコントロールすることが100%正しいとも言えないケースもある

しかし最も重要なことは、店舗段階で利益を獲得していくために店長がコントロールできる唯一の大口経費が人件費であること。
だから人件費コントロールの意思と技術を身につけないと店舗人員が肥大しすぎ、全員が賃金に関して不満を持つことにもなりかねない。入時コントロールは自店の経費構造に目を向ける際の急所です。