人件費の赤字を無くす入時生産性と労働分配率の考え方

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人件費を考える

モノやサービスの商品価格のほとんどは、人件費が占めると言われるぐらい店舗経営者にとって無視できないポイントです。

値上げがやりにくい社会の中では、商品原価を減らすにも限界に来ており、人件費をどれぐらい削れるかに頭を悩ませているといいます。

人件費を節約するために、人材を減らしたり、セルフサービスなどを取り入れて作業自体を減らしたり、様々な工夫をしていますが、人件費のコントロールを誤ると、店舗自体の存続が危うくなる可能性があります。

人件費のコントロールは、数値では測れないマインドのコントロールも含まれるだけにとても難しいものです。

その人件費と営業利益について考えてみましょう。

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人件費をコントロールする上で重要な指標

「営業利益」に大きく影響するのが「人件費」です。

「売上アップ」と並んで、「人件費」をいかにコントロールするかが、店長の重要な役割の一つとなっています。

その人件費をコントロールする上で重要な指標が「労働分配率」と「入時生産性」という2つの数値です。

①労働分配率

店舗営業で生み出した「粗利益」のうち、何パーセントを人件費として分配(還元)しているかを示す指標です。

労働分配率=人件費÷粗利益

経営上はその値は低いほど良いとされます。

業種業態により異なりますが、一般的に30〜40%が望ましく、50%を超えると非効率だとされます。

しかし、設備産業(遊戯施設や温浴施設のように多額の設備投資を要する業種)の場合は、10%程度に抑えなければいけない場合もあるので、一概に高い低いと論じることはできません。

「労働分配率は低いほうが良い」という論理を振りかざして、スタッフの給料や時給を減らしてしまうと、仕事へのモチベーションが低下したり、優秀なスタッフの離職により、更に業績を悪化させかねません。

この指標は、利益構造を示す重要な指標の一つですが、どのクラスの社員にまで周知するかは、よくよく考えてください。

スタッフの経営知識や経営参画意識によっても異なりますが、店長や幹部社員の「管理用指標」にとどめておいたほうが良いでしょう。

②入時生産性

入時生産性とはスタッフ一人、1時間当たりの生産高を示す指標です。

入時生産性=生産高÷総労働時間(時間)

その値は高いほど良いとされます。広くその数値を示し、意識を高める効果ある指標が「入時生産性」です。

一般的には生産高として「売上高」を使うこともありますが、特別な事情がない限り「粗利益」を使うほうが良いとされる場合があります。

どういうことかというと、スタッフの給料に充てる原資は「粗利益」から捻出されるのだから、「売上高」ではなく「粗利益」で見ようという考えです。

例えば、スタッフが頑張って粗利益を増やしても、その頑張りに報いて給料を上げると、労働分配率は上昇(=悪化)します。

しかし、入時生産性は、頑張りに報いて給料を上げても、分母が時間数であるから数値は低下しないのです。

店長は、この2つの指標を上手く使いこなすことが求められます。

「労働分配率」で確認しながら、パート時給の決定や労働時間(シフト)管理等の人件費コントロールを行う。

同時にスタッフに対しては「入時生産性」を使って「粗利益」と「時間の有効活用(仕事の効率化)」 の意識を持たせることです。

パート・アルバイトの時間管理

利益体質を高めるためには、パート・アルバイトの勤務シフトを作る時に、

①店舗オペレーション上の必要人員数

②目標利益を達成するための、人件費枠に収める許容時間数

この2つの視点から考えていく必要があります。

①の「必要人員数」を無視して、業務シフトを作成すれば、お客様に迷惑をかけることになり、結果的に売上・利益を落としてしまうことになります。

しかし、この「お客様のために……」が免罪符となり、人件費が膨らみ利益の出にくい店舗運営になっているケースも多いのです。

そこで店長は常に、②の「許容時間数の視点」も持つことが求められます。

具体的には、自店の売上予測・粗利益予測から、固定経費(見込)と目標営業利益を引いた「人件費枠」と、それを時給で割ったパート・アルバイトの「許容時間数」を計画することです。

しかし、許容時間数だけを決めても、なかなか計画通りにならないもの。

そのような場合には、総時間を設定するだけでなく、具体的に休日・平日・イベントの有無ごとに数パターンの業務シフトモデルを作成することです。

その業務シフトで店舗運営に支障がないように、準備作業や後方作業のタイムスケジュール化を図り、業務分担や作業そのものの見直しをすることが求められます。

また、パート・アルバイトの採用時にも、このシフトモデルを考慮した、就業条件の提示、採用可否の決定をすることが求められます。

「人」に関するコストは、心情的なことも含めて簡単に削減することはできません。

だからこそ店長が強い意志を持って、

①数値計画を具体的に設定する

②それを実現させる具体的アクションプランを立てる

③計画通りに執行されているかを定期的に確認する

これらのことがとても重要です。

以上「人件費の赤字を無くす入時生産性と労働分配率の考え方」でした。

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